TikTok Shop(TikTokショップ)とは、「TikTokのおすすめに流れる動画やLIVE配信で商品を見つけ、アプリを出ずにそのまま購入できるEC機能」です。
日本では2025年6月30日に提供が始まりました。TikTok Shopは、出店した事業者が商品を売る場所であると同時に、クリエイターが商品を紹介して報酬を受け取る場所でもあります。
TikTok Shopが気になり始めた事業者の方なら、次のような疑問が浮かんでいるかもしれません。
- 楽天市場やAmazonと、何が違うのか
- 若い人向けのサービスなので、自社の商品は売れないのではないか
- 出店すると、費用や手間はどれくらいかかるのか
結論からお伝えすると、日本のTikTok Shopでは提供開始から1年間の流通総額の70%以上が、コンテンツを起点とした購入でした。つまり売上を左右するのは、動画やLIVE配信、クリエイターの紹介といった、購入者が商品と出会うきっかけをどれだけ用意できるかです。また、利用者の約6割は35歳以上で、若い世代だけの売り場ではありません。
当社Gastroduce Japanは、食品特化のTikTok Shop公式認定パートナー(TSP・TAP・CAP)として、60店舗以上のTikTok Shopの運用を支援しています。
本記事では、運用支援の現場で見てきたことも交えながら、TikTok Shopの仕組みと6つの機能、楽天市場・Amazonとの違い、日本での現状、出店するメリットと注意点、相性が良い商品、費用、出店までの4ステップ、売上を作るコツと成功事例までをまとめました。TikTok Shopが自社に合う売り場かどうか、出店するなら何から準備すればよいか。その判断材料として、ぜひ最後までお読みください。
本記事の対象となる方
- 出店先としてTikTok Shopを検討し始めた事業者の方
- 楽天市場やAmazonには出店しているが、TikTok Shopの仕組みはまだよく知らない方
- 自社の商品がTikTok Shopで売れるかを判断したい方
本記事を読んでわかること
- TikTok Shopの仕組みと機能、楽天市場・Amazonとの違い
- 提供開始から1年の公式データで見る、日本のTikTok Shopの現状
- 出店にかかる費用と手順、売上を作るコツと成功事例
若松 友貴
一橋大学商学部卒業後、2014年に楽天株式会社へ入社し、楽天市場ECコンサルタントとして累計1,000社超を担当。2017年に食品EC特化の実行型コンサルティング会社Gastroduce Japan株式会社を設立。現在はTikTok Shop公認パートナー(TSP)として60店舗以上を支援し、支援店舗群の月間流通総額は3.5億円を超える(2026年6月時点)。食品カテゴリー初のTikTok Shop「松屋フーズデー」の企画・運営や、「TikTok上半期トレンド大賞2026」ヒットアイテム部門受賞商品の支援を手がけ、2025年にはTikTok食品カテゴリ日商ランキング上位10商品のうち6商品を支援ブランドが占めた。日経MJ一面トップにも掲載。
- TikTok Shopとは?|TikTokの動画やLIVE配信から、その場で商品を買えるEC機能
- TikTok Shopの仕組み|動画・LIVE配信・クリエイターの紹介から購入が生まれる
- TikTok Shopの6つの機能|商品と出会う、購入を受け止める、販売を支える
- TikTok Shopと楽天市場・Amazonの違い
- TikTok Shopの日本での現状|提供開始から1年の公式データ
- TikTok Shopに出店する4つのメリット
- TikTok Shopに出店するときの4つの注意点
- TikTok Shopと相性が良い商品の4つの特徴
- TikTok Shopの費用|初期費用・月額費用と販売手数料
- TikTok Shopに出店するまでの4ステップ
- TikTok Shopで売上を作る4つのコツ
- 【事例紹介】TikTok Shopの日本での成功事例6選
- TikTok Shopに関するよくある質問
- TikTok Shopのまとめ
TikTok Shopとは?|TikTokの動画やLIVE配信から、その場で商品を買えるEC機能
TikTok Shop(TikTokショップ)とは、「TikTokのおすすめに流れる動画やLIVE配信で商品を見つけ、アプリを出ずにそのまま購入できるEC機能」です。日本では、2025年6月30日(月)から提供が始まっています。
TikTok自身は、動画やLIVE配信をきっかけに商品と出会い、そのまま購入へ進む購買体験を「ディスカバリーEコマース」と位置づけています。ディスカバリーは「発見」という意味。検索ではなく「発見」から買い物が始まる、という考え方を表した呼び名です。
楽天市場やAmazonは、買いたい物が決まった人がキーワードで検索して探す売り場です。それに対してTikTok Shopでは、普段なにげなく動画を見ている人が、まだ知らなかった商品に出会い、その流れで注文まで進みます。購入者の入口がまったく異なる点こそ、TikTok Shopのいちばんの特徴といえるでしょう。
TikTok Shopの仕組み|動画・LIVE配信・クリエイターの紹介から購入が生まれる

TikTok Shopでは、「おすすめ」に表示される動画やLIVE配信が、商品との出会いから購入までをひと続きにつないでいます。提供開始から1年間(2025年6月30日〜2026年6月30日)の流通総額のうち、70%以上をコンテンツを起点とした購入が占めました。
- 「おすすめ」の動画やLIVE配信で商品と出会う
- アプリを出ずに、その場で購入する
- クリエイターの紹介でも商品が売れる
「おすすめ」の動画やLIVE配信で商品と出会う
TikTok Shopで購入者が商品と出会う主な入口は「おすすめ」フィードで、ショップタブでの検索はそれを補う役割です。ショッピング機能の付いた動画やLIVE配信は「おすすめ」フィードに表示されるため、出店者(セラー)をまだフォローしていない人にも商品が届きます。
なかでも存在感が大きいのがLIVE配信です。日本では、コンテンツ経由の流通総額の約60%をLIVE配信が占めています。
アプリを出ずに、その場で購入する
気になった商品は、動画の画面から商品ページを開き、TikTokアプリの中で注文から決済まで済ませられます。外部のECサイトへ移る必要がないので、動画を見た瞬間の「欲しい」という気持ちが冷めないうちに、購入まで進んでもらえます。
動画を見終わったあとで買いたくなった人も、ブランドのプロフィールにある商品ショーケースや、アプリ内のショップタブから商品を探して購入できます。
クリエイターの紹介でも商品が売れる
TikTok Shopでは、出店者自身の投稿に加えて、クリエイターが紹介した動画やLIVE配信からも商品が売れます。クリエイターは、紹介した商品が売れると報酬を受け取る仕組みです。
実際、流通総額の規模が最も大きいセラーのグループでは、動画経由の流通総額の90%以上がアフィリエイト経由でした(2026年6月時点)。自社アカウントで発信するだけでなく、クリエイターの紹介で商品の入口を増やしていくこと。それが、TikTok Shopで売上を作る土台になると当社は考えています。
TikTok Shopの6つの機能|商品と出会う、購入を受け止める、販売を支える
出店者がまず押さえておきたいTikTok Shopの機能は、商品と出会う場をつくる2つ、購入を受け止める2つ、販売を支える2つの、計6つです。
- ショッピング動画
- LIVE配信
- 商品ショーケース
- ショップタブ
- アフィリエイトプログラム
- TikTok Shop広告(GMV Max)
ショッピング動画
ショッピング動画は、動画に商品をタグ付けし、視聴者がその場で購入できるようにする機能です。使い方や使用前後の変化を短い尺で見せられるので、商品の魅力をひと目で伝えたい場面では、まずこの機能が中心になるでしょう。
LIVE配信
LIVE配信では、商品を紹介しながら視聴者のコメントに答え、配信中にそのまま購入してもらえます。サイズや使い方、届くまでの日数など、購入前の疑問にその場で答えられるのが、LIVE配信ならではの強みです。
関連記事:TikTokライブコマースのやり方|3分ループで設計する進行と、配信中に見るべき5つの数値
商品ショーケース
商品ショーケースは、ブランドのプロフィールページに商品の一覧を並べ、レビューの確認や購入ができる機能です。動画で興味を持った人が、同じブランドのほかの商品やセット品を見比べる、いわば店舗の棚のような役割を果たします。
ショップタブ
ショップタブは、TikTokアプリの中にある「ショップ」の画面で、ユーザーが商品やプロモーションを検索して購入できる場所です。動画で見かけた商品を、あとになって商品名で探す人の受け皿になります。
せっかく動画に力を入れていても、商品名や商品画像が整っていなければ、ショップタブで探した人に見つけてもらえません。出品の段階で、購入者が検索しそうな言葉が商品名に入っているかを確認しておくと安心です。
アフィリエイトプログラム
アフィリエイトプログラムは、商品を紹介したクリエイターに、売れた分の報酬を支払う成果報酬型の仕組みです。出店者が自社に合ったアフィリエイトのプランを選び、クリエイターがショート動画やLIVE配信でその商品を紹介する、という役割分担になります。
関連記事:TikTok Shopアフィリエイト(TAP)の始め方|報酬率の決め方と食品のサンプル戦略
TikTok Shop広告(GMV Max)
TikTok Shop広告は、商品の認知を広げ、購入を後押しするための広告です。なかでも商品GMV Max(略称GMV Max)は、投資利益率(ROI)の最大化を目的とした自動広告ソリューションです。配信するコンテンツや配信枠、設定は、システムが自動で選びます。
TikTok Shopと楽天市場・Amazonの違い
楽天市場やAmazonとの一番の違いは、購入者が商品と出会う入口にあります。楽天市場やAmazonでは、買いたい物が決まっている人が検索して商品を比べます。一方のTikTok Shopでは、まだ商品を知らない人が「おすすめ」の動画で商品と出会います。
- 商品との出会い方の違い
- 売るために用意するものの違い
- 集客を担う人の違い
| 観点 | TikTok Shop | 楽天市場・Amazon |
|---|---|---|
| 商品との出会い方 | おすすめに表示された動画やLIVE配信で出会う | キーワードで検索し、一覧から比べて選ぶ |
| 売るために用意するもの | 商品の良さが伝わる動画とLIVE配信、商品ページ | 検索に合った商品名と商品ページ、レビュー |
| 集客を担う人 | 出店者と、売り場の中で商品を紹介するクリエイター | 出店者の広告や商品ページの改善に加え、売り場の外(ブログやSNSなど)からの紹介 |
商品との出会い方の違い
TikTok Shopでは「探していない人」に商品が届き、楽天市場やAmazonでは「探している人」が商品にたどり着きます。楽天市場やAmazonが、欲しい物が決まっている人の注文を取りこぼさないための売り場だとすれば、TikTok Shopは、商品名すら知らない人に「欲しい」と思ってもらうための売り場だといえます。
売るために用意するものの違い
楽天市場やAmazonでは商品ページの完成度が売上を左右しますが、TikTok Shopでは商品ページに加えて動画とLIVE配信が欠かせません。楽天市場やAmazonの場合、検索結果から選ばれるために、商品名やレビューを整えることが施策の中心になります。
これに対してTikTok Shopでは、動画を見た人が最初の数秒で商品の良さをつかめるかどうかが、最初の分かれ目です。商品ページを作り込む前に、まず「商品のどの場面を動画で見せるか」を決めておくことをおすすめします。
集客を担う人の違い
TikTok Shopでは、クリエイターの紹介動画やLIVE配信が、売り場の中の「おすすめ」にそのまま表示されます。もちろん、第三者の紹介で集客する仕組みはモールにもあります。たとえばAmazonには、Amazonの商品をサイトやブログ訪問者に紹介するアソシエイト・プログラムがあります。
違いは、紹介がどこにあるかだと当社は見ています。モールのアフィリエイトでは、売り場の外にあるブログやSNSから購入者が送られてきます。TikTok Shopでは、購入者が売り場の中で紹介を見て、そのまま購入まで進みます。こうした違いから、当社ではTikTok Shopを楽天市場やAmazonの代わりとしてではなく、新しい購入者と出会うための売り場として併用することをおすすめしています。
関連記事:食品ECモールの選び方|楽天・Amazon・Yahoo!・TikTok Shopは「需要構造」で使い分ける
TikTok Shopの日本での現状|提供開始から1年の公式データ
TikTok Shopは提供開始から1年で利用者を大きく増やし、35歳以上を含む幅広い世代に使われています。土台となるTikTokの日本の月間利用者数(MAU)も、4,950万人に達しています(2026年5月末時点。TikTokとTikTok Liteの合計)。
| 項目 | 数値 | 時点・発表 |
|---|---|---|
| TikTok Shopの利用者数 | 2025年7月と比べて30倍以上 | 2026年6月時点 |
| TikTok Shopの利用者の年齢構成 | 18〜34歳が約4割、35歳以上が約6割 | 2026年7月の発表 |
| TikTokの日本の月間利用者数(MAU) | 4,950万人(TikTokとTikTok Liteの合計) | 2026年5月末時点 |
| TikTokがもたらした推定消費額 | 前年比46%増 | 2025年 |
- 利用者は1年で30倍以上に増えた
- 利用者の約6割が35歳以上
- ファッションから食品・家電まで幅広いジャンルで売れている
利用者は1年で30倍以上に増えた
2026年6月時点のTikTok Shopの利用者数は、2025年7月と比べて30倍以上になりました。出店者の立場で見れば、売り場を訪れる購入者が、わずか1年で大幅に増えたということです。
利用者が伸びている今は、新しい購入者と出会える機会も広がっています。出店を迷っているなら、まずは扱う商品を絞って小さく始め、反応を見ながら少しずつ商品を増やしていく進め方が現実的です。
利用者の約6割が35歳以上
TikTok Shopの利用者の年齢構成は、18〜34歳が約4割、35歳以上が約6割です。「TikTokは若い人のもの」というイメージとは違い、実際には幅広い世代が買い物に使っています。
家族で使う日用品や食品のように、主な購入者が35歳以上の商品であっても、TikTok Shopを売り場の候補から外す必要はない、というのが当社の見方です。
ファッションから食品・家電まで幅広いジャンルで売れている
2026年上半期には、ファッション・ビューティ・食品・飲料・ホーム&リビング・家電の各ジャンルで、売れている商品の領域が広がりました。ジャンルごとの流通総額の上位3領域は、次の表のとおりです。
| ジャンル | 流通総額の上位3領域(2026年上半期) |
|---|---|
| ファッション | レディーストップス、レディースボトムス、バッグ |
| ビューティ | スキンケア用品、メイクアップ用品、ヘアケア・スタイリング用品 |
| 食品・飲料 | 生鮮・冷凍食品、健康食品、主食(米・麺類)や調味料 |
| ホーム&リビング | 玩具、寝具、ホビー・コレクション商品 |
| 家電 | 理美容家電、スマホ関連用品、生活家電 |
食品については、2025年10月18日時点のFastMoss調査で、食品カテゴリの日商ランキング上位10商品のうち6商品を当社の支援ブランドが占めていました。
TikTok Shopに出店する4つのメリット
TikTok Shopに出店するメリットは、自社を知らない人に商品が届くこと、クリエイターの紹介を成果報酬で頼めること、見た瞬間に買ってもらえることです。さらに、TikTok Shopの外の売上や検索にまで効果が及ぶこともあります。
- おすすめを通じて、自社を知らない人に商品が届く
- クリエイターの紹介を、売れた分の報酬で頼める
- 見て気になった瞬間に、その場で買ってもらえる
- TikTok Shopの外の売上や検索にも、効果が及ぶことがある
おすすめを通じて、自社を知らない人に商品が届く
「おすすめ」を通じて、ブランド名で検索されるよりも前の段階で、まだ自社を知らない人に商品を知ってもらえます。楽天市場やAmazonでは、新しいブランドや新商品がブランド名で検索されるようになるまで、どうしても時間がかかりがちです。立ち上げて間もないブランドや新商品ほど、このメリットは大きいはずです。
クリエイターの紹介を、売れた分の報酬で頼める
アフィリエイトプログラムでは、クリエイターへの報酬は、紹介をきっかけに商品が売れた分だけ発生します。紹介の本数をいくら増やしても、売れなければ報酬はかかりません。
自社だけで動画を作り続けるよりも、短い期間で多くの入口を用意できるのが利点です。さらに、クリエイターごとに商品の見せ方が異なるため、どんな見せ方なら売れるのかを知るヒントも得られます。
見て気になった瞬間に、その場で買ってもらえる
気になった瞬間に購入まで進めるため、「あとで調べよう」と離れたまま買わずに終わる人を減らせます。とはいえ、その場で購入を決めてもらうには、価格や送料、届くまでの日数が商品ページでひと目でわかることが前提です。出品の際に、あわせて見直しておきましょう。
TikTok Shopの外の売上や検索にも、効果が及ぶことがある
TikTok Shopで商品が知られると、ほかの売り場や検索にまで効果が及ぶことがあります。TikTokは、ショート動画やLIVE配信で商品が知られることで生まれるこうした波及を「ハロー効果」と呼び、その例として、他ECモールでの販売拡大、検索エンジンでの指名検索数の増加、実店舗への来店促進などを挙げています。
楽天市場やAmazonにも出店している場合は、TikTok Shopを始める前と後で、各モールでのブランド名の検索数や売上を見比べてみてください。TikTok Shopの成果を、TikTok Shop単体の売上だけで判断せずに済みます。
TikTok Shopに出店するときの4つの注意点
TikTok Shopに出店する前に確認しておきたいのは、販売できる商品か、動画とLIVE配信を続ける体制があるか、出荷の期限を守れるか、出店直後の注文数の上限を見込んでいるか、の4点です。どれも、出店してから気づいたのでは売上の機会を逃しかねないポイントです。
- 販売できる商品か、カテゴリーの承認が要るかを先に確認する
- 動画とLIVE配信を出し続ける担当と予算を決めておく
- 出荷の期限を守れる在庫と発送の体制を整える
- 出店直後は1日の注文数に上限があることを見込んでおく
販売できる商品か、カテゴリーの承認が要るかを先に確認する
TikTok Shopには、出品できない禁止商品と、事前承認が必要な制限付き商品があります。制限付き商品とは、TikTok Shopからの事前承認が必要な商品のことで、書類を提出してカテゴリーの承認を受けなければならない場合もあります。
食品の事業者がとくに気をつけたいのが、生鮮食品や冷凍食品のように温度管理が必要な商品です。必要な営業許可を取得し、求められたときに提示できるようにしておかなければなりません。温度管理の目安は、冷蔵品が常に0〜5°C、アイスクリーム以外の冷凍品が常に-12°C以下。保管だけでなく、配送の方法まで含めて条件を満たせるかを確認しておくと安心です。
関連記事:【2026年最新】TikTok Shopで食品を売る方法|出店の準備から5つの売り方まで徹底解説
動画とLIVE配信を出し続ける担当と予算を決めておく
TikTok Shopの売上は動画とLIVE配信から生まれるため、出店後も投稿と配信を続ける担当者と予算が必要です。商品を登録しただけでは、購入者が商品と出会う入口はほとんど生まれません。
当社では、出店前に「週に何本の動画を投稿するか」「LIVE配信を誰がいつ行うか」「クリエイターへの依頼を誰が管理するか」の3つを決めておくことをおすすめしています。それでも売れないときは、動画がそもそも見られていないのか、見られているのに買われていないのかを切り分けると、原因を探しやすくなります。
関連記事:【2026年最新】TikTok Shopで売れない原因とは?見つけ方から改善策まで解説!
出荷の期限を守れる在庫と発送の体制を整える
TikTok Shopでは、すべての注文品を、注文日の翌営業日から起算して2営業日目の23:59までに準備する必要があります。
動画やLIVE配信が反響を呼ぶと、短い期間に注文が一気に集中することがあります。在庫の量や発送を担当する人数は、普段の注文数ではなく「売れたとき」の注文数を想定して見積もっておくのが安全です。
出店直後は1日の注文数に上限があることを見込んでおく
新しく開設したショップは「ショップ立ち上げ期間」から始まり、最初のティアのビギナーでは、受け付けられる注文は1日あたり最大30件、出品できる商品は最大100件です。この上限は、運営実績を示し、ルールを守っていることが確認されると自動的に引き上げられます。
そのため、出店直後から大きな広告を出したり、多くのクリエイターに一斉に紹介を依頼したりすると、注文がすぐに上限に達してしまうかもしれません。最初の数週間は、上限があることを前提に販売計画を組み立てておきましょう。
TikTok Shopと相性が良い商品の4つの特徴
TikTok Shopと相性が良いのは、使う様子や変化を動画で見せられる、質問に答えると買いたくなる、繰り返し買われる、クリエイターが紹介しやすい、という4つの特徴を持つ商品です。もっとも、4つすべてに当てはまる必要はありません。当社では、2つ以上に当てはまる商品から出品することをおすすめしています。
- 使う様子や変化を動画で見せられる
- LIVE配信で質問に答えると購入が進む
- 繰り返し買われる消耗品である
- クリエイターが自分の言葉で紹介しやすい
使う様子や変化を動画で見せられる
使う前と後の違いや、使っている様子が映像で伝わる商品は、動画を見ただけで良さが伝わります。掃除用品の汚れの落ち方や、メイクの仕上がりのように、変化が数秒で見える商品が代表的です。
食品であれば、焼ける音や立ちのぼる湯気、切ったときの断面など、写真では伝わりにくいおいしさを、動画ならそのまま届けられます。
LIVE配信で質問に答えると購入が進む
サイズや使い方、成分など、買う前に確認したいことが多い商品は、LIVE配信で質問に答えると購入を後押しできます。商品ページの説明だけでは決めきれない人の迷いを、その場で解消できるからです。
よく出る質問への答えをあらかじめ用意しておけば、配信のたびに説明の質をそろえられます。
繰り返し買われる消耗品である
日用品や化粧品、食品のように使い切る商品は、一度気に入ってもらえれば、繰り返し購入してもらえる可能性があります。動画で出会った人が、2回目からは商品ショーケースやショップタブから直接買いに来ることもあります。
まとめ買い用のセットや、使い切るまでの期間に合わせた容量の商品を用意しておけば、2回目以降の購入の受け皿になります。
クリエイターが自分の言葉で紹介しやすい
クリエイターが実際に使って、自分の言葉で感想を話せる商品は、紹介を頼むのに向いた商品です。反対に、感想を言葉にしにくい商品の場合は、紹介を依頼する前に「どんな場面で使ってほしい商品か」をクリエイターに伝えておくと、紹介の内容がぶれにくくなります。
TikTok Shopの費用|初期費用・月額費用と販売手数料
TikTok Shopは初期費用・月額費用が0円で、商品が売れたときにカテゴリーごとの販売手数料がかかります。このほか、取り組む施策に応じて、クリエイターへの報酬や広告費、送料などが発生します。
- 初期費用・月額費用
- 販売手数料
- 販売手数料のほかにかかる費用
| 費目 | 金額・料率 | かかるタイミング |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | — |
| 月額費用 | 0円 | — |
| 販売手数料 | カテゴリーごとに7%・9%・10%・12% | 注文が発生したとき |
| アフィリエイトの報酬 | 出店者が選んだプランの条件による | クリエイターの紹介で商品が売れたとき |
| 広告費(GMV Maxなど) | 出店者が決めた予算による | 広告を配信したとき |
| 送料・値引きの原資 | 配送方法やセール・クーポンの設定による | 発送したとき、値引きして売れたとき |
初期費用・月額費用
TikTok Shopに出店する初期費用と、毎月の固定の利用料は0円です。売上が立たない月にも固定費がかからないので、扱う商品を絞って小さく始めやすい売り場だといえます。
販売手数料
TikTok Shopは、すべての有効な注文に対して、注文内の商品ごとにカテゴリーに応じて販売手数料を算出しています。料率は7%・9%・10%・12%のいずれかです。2026年10月23日更新の料率では、たとえば食品・ドリンクや家電が7%、美容・パーソナルケアやシューズが10%となっています。
注意したいのは、同じカテゴリーの中でも、サブカテゴリーによって料率が変わる例外があることです。たとえば食品・ドリンクのうち、ビール・ワイン・スピリッツのサブカテゴリーは10%です(同サブカテゴリー配下の「ビール」「プレミックス・レディトゥドリンク」を除く)。利益を計算する際は、出品する商品のサブカテゴリーの料率まで確かめておくと確実です。
関連記事:TikTok Shopの手数料はいくら?食品カテゴリは7%|2026年改定後の全料率と利益計算
販売手数料のほかにかかる費用
販売手数料のほかに、クリエイターへのアフィリエイトの報酬、広告費、送料、セールやクーポンで値引きする分の原資がかかることがあります。いずれも、施策への力の入れ方しだいで大きく増減する費用です。
商品の価格を決める前に、販売手数料とこれらの費用を差し引いて、1件売れたときに手元にいくら残るかを計算しておきましょう。
TikTok Shopに出店するまでの4ステップ
TikTok Shopへの出店は、出店の区分を決める、必要書類をそろえて申請する、初期設定をする、商品を登録する、という4つのステップで進みます。
- ①出店の区分(個人セラー・コーポレートセラー)を決める
- ②必要書類をそろえて、セラーセンターで申請する
- ③申請の情報を送信したら、配送や入金などの初期設定をする
- ④商品を登録して、販売を始める
①出店の区分(個人セラー・コーポレートセラー)を決める
日本の国税庁(NTA)に登録していない場合は個人セラー、NTA登録済み事業者の登録担当者はコーポレートセラーとして申請します。なお、個人事業主は個人セラーに分類されます。
区分によって、そろえる書類や開設できるショップの数が変わります。書類の準備に取りかかる前に、どちらで申請するかを決めておくとスムーズです。
②必要書類をそろえて、セラーセンターで申請する
申請には、個人セラーなら身分証明書と住所証明、コーポレートセラーなら登記事項証明書などの事業者証明書と、代表連絡先の身分証明書などが必要です。審査は通常1〜5日で完了します。
審査に通らない原因になりやすいのが、書類の内容とセラーセンターに入力した情報の食い違いです。会社名や住所の表記まで一致しているか、送信前に見直しておきましょう。
関連記事:TikTok Shopの出店方法|必要書類と審査、食品事業者だけに求められる要件
③申請の情報を送信したら、配送や入金などの初期設定をする
申請に必要な情報を送信したら、倉庫の設定、銀行情報の追加、公式TikTokアカウントのリンク設定などの初期設定に進みます。
④商品を登録して、販売を始める
初期設定が終わったら、セラーセンターで商品を登録して販売を始めます。最初から商品を数多く並べる必要はありません。動画で良さを見せやすい商品に絞って出品し、ショッピング動画の投稿やクリエイターへの依頼と並行して進めていくのが、当社のおすすめする進め方です。
関連記事:【2026年最新】TikTok Shopの始め方とは?必要書類・審査から最初の売上まで解説!
TikTok Shopで売上を作る4つのコツ
TikTok Shopで売上を作るコツは、クリエイターの紹介で入口を増やす、LIVE配信を続ける、反応の良い動画に広告をかける、セールに合わせて準備する、の4つです。いずれも出店して終わりではなく、出店後に継続して取り組む施策です。
- コツ①:自社の投稿だけに頼らず、クリエイターに紹介を頼む
- コツ②:LIVE配信は曜日と時間を決めて続ける
- コツ③:反応の良い動画は、GMV Maxで配信を広げる
- コツ④:セールの開催に合わせて、商品と在庫を準備する
コツ①:自社の投稿だけに頼らず、クリエイターに紹介を頼む
動画の本数を増やすには、自社で作る動画に加えて、クリエイターに紹介を頼むのが近道です。当社がブランドデーを支援したモスフードサービスのTikTok Shopでも、売上の約8割がクリエイターによる商品紹介から生まれています。
また、当社と松屋フーズホールディングスの合弁会社であるモールハックは、食品の紹介を得意とするクリエイターが集まる「FOOD FORCE STUDIO」を運営しており、登録クリエイター数は1,500人を突破しました(2026年10月時点)。
コツ②:LIVE配信は曜日と時間を決めて続ける
LIVE配信は、曜日と時間を固定して続けることで、「この時間に見に行けば配信している」と視聴者に覚えてもらえます。1回の配信の結果だけで、うまくいった・いかなかったと判断するのは早計です。
同じ枠で数週間続けたうえで、時間帯や紹介する商品、話す順番を見直していきましょう。
コツ③:反応の良い動画は、GMV Maxで配信を広げる
再生や購入の反応が良かった動画は、GMV Maxで配信を広げると、さらに多くの人に届けられます。反応がわからないうちに広告費を増やすより、手応えを確かめてから広げたほうが、広告費の無駄を抑えられます。
当社では、自社の動画とクリエイターの動画から反応の良いものを見極めたうえで、GMV Maxの予算を増やす順番をおすすめしています。当社が支援する下町バームクーヘンでも、自社制作のショート動画とクリエイターの動画をあわせてGMV Maxで配信しています。
関連記事:GMV Maxとは?運用についてROI目標・予算・クリエイティブの決め方まで解説!
コツ④:セールの開催に合わせて、商品と在庫を準備する
TikTok Shopが開催するセールに合わせて、セット品や在庫を用意しておくと、買い物をする人が増える時期を売上につなげられます。セールへの参加は、出店者がセラーセンターで対象の商品を登録する形です。
登録には締切があるので、開催日から逆算して、余裕をもって商品と在庫の準備に取りかかりましょう。
関連記事:【2026年最新】TikTok Shopのセールとは?年間スケジュールから参加方法まで解説!
4つのコツを社内の体制だけで続けるのが難しい場合は、当社のTikTok Shopの運用支援もあわせてご覧ください。
【事例紹介】TikTok Shopの日本での成功事例6選
TikTok Shopで成果を上げた日本の事例として、当社が関わった4つと、TikTok Shopの提供開始1年の発表で取り上げられた2つ、あわせて6つを紹介します。なお、当社の支援店舗群の月間流通総額は3.5億円に達しています(2026年10月の発表)。
- 松屋フーズ(当社とモールハックが支援)
- モスフードサービス(ザ・ブランドデーを当社が支援)
- 下町バームクーヘン(当社が支援)
- FOOD FORCE STUDIO(モールハックが運営)
- クロックス・ジャパン
- ギャップジャパン(Gap)
松屋フーズ(当社とモールハックが支援)
松屋フーズは、クリエイターの動画と広告を組み合わせて成果を上げた事例です。TikTok Shopでの月商は、開始から3か月の時点で8,500万円に達しました。広告でも、初月からROI8〜9倍を達成しています。
支援にあたったモールハックは、松屋フーズホールディングスと当社の合弁会社です。2026年4月に開催された「松屋フーズデー」は食品カテゴリーで初めてのTikTok Shopブランドデーとなり、当社とモールハックが企画・運営を担当しました。
モスフードサービス(ザ・ブランドデーを当社が支援)
モスフードサービスのTikTok Shopは、2026年4月の開設から4カ月で、同社のオンラインショップ全体の売上のうち約20%を占めるまでに拡大しました。なお、この約20%は、次に紹介するブランドデーの開催前に公表された数字です。
当社は、2026年9月1日〜5日に開催されたザ・ブランドデー「モスバーガーデー」の運用を支援しました。開催前の発表では、出演するクリエイター100名以上のアサインと、期間中のLIVE配信の進行を当社が担う体制とされていました。
関連記事:【2026年最新】TikTok Shop ザ・ブランドデーとは?メリット・デメリットから事例、準備まで解説
下町バームクーヘン(当社が支援)
当社が支援する下町バームクーヘンは、TikTok Shopへの出店2カ月で月商3,000万円突破という成果を上げた洋菓子のブランドです。広告の面でもGMV MaxのROIは1,500%に達し、単月の広告経由の売上は900万円を超えています。
関連記事:【2026年最新】TikTok Shopの食品の成功事例6選!共通点から再現の条件まで解説
FOOD FORCE STUDIO(モールハックが運営)
モールハックが運営する食品クリエイターのプラットフォーム「FOOD FORCE STUDIO」のTikTokアカウントは、成果報酬型モデルで月間流通1,000万円を突破しました。アカウントのフォロワーも1万人を超えています。
出店者ではなく、商品を紹介する側のアカウントが、紹介だけで大きな売上を生み出している点に注目したい事例です。
クロックス・ジャパン
クロックス・ジャパンは、朝と晩の固定枠で自社のLIVE配信を続け、出店初月と比べて2か月目の流通総額を40倍以上に伸ばしました。月30回を超えるLIVE配信では、チャームを付けたコーディネートの提案などを行っています。
配信の時間を決めて自社で続けることが、LIVE配信で売上を作る基本だと改めて教えてくれる事例です。
ギャップジャパン(Gap)
Gapは、店舗の販売員が自身のTikTokアカウントでクリエイターとして発信する体制で、2026年4月にTikTok Shopへ出店しました。出店翌月の流通総額は初月の200倍になり、月間の投稿は164本にのぼっています。
外部のクリエイターに頼るだけでなく、自社の社員がクリエイターとなって紹介の本数を増やす。そんな進め方もあると気づかせてくれる事例です。
6つの事例のうち、どの進め方が自社の商品に合いそうか、一緒に検討したい場合は、当社のTikTok Shopの運用支援からお気軽にご相談ください。
TikTok Shopに関するよくある質問
最後に、TikTok Shopへの出店を検討している事業者の方から寄せられることの多い4つの疑問にお答えします。
TikTok Shopは個人でも出店できますか?
はい。国税庁に登録していない個人は、「個人セラー」として出店を申請できます。申請の条件は、18歳以上であること、そして日本国民であるか、政府発行の有効な身分証明書を持つ居住者であることです。
なお、個人セラーが開設できるショップは、個人IDごとに1つまでです。
フォロワーが少なくても、TikTok Shopで売れますか?
売れる可能性はあります。TikTokは、フォロワー数そのものはおすすめの判定に直接的には影響しないと説明しています(2020年6月の説明)。ただし同時に、フォロワーの多いアカウントの動画は再生回数が多くなる可能性がある、とも述べています。
フォロワーが少ないうちは、動画の中身を磨くことと、クリエイターに紹介を頼むことに力を注ぐのが効果的です。
TikTok Shopは安全ですか?
TikTok Shopそのものは、TikTokが提供している正規のEC機能です。注意したいのは、TikTok Shopの運営やサポートを名乗る連絡です。
TikTok Shopは、出店そのものに初期費用がかかりません。TikTok Shopの運営を名乗って出店の費用や手数料の支払いを求める連絡が届いても、応じないようにしてください。
関連記事:TikTok Shopは安全?事業者が狙われる4つの手口と見分け方
TikTok Shopの運用は、外部の会社に任せられますか?
任せられます。TikTok Shopには公式認定パートナー(TSP)の制度があり、TSPは、ショップの運営から動画の制作、LIVE配信、広告の運用まで、出店者の成長を幅広く支える公式のパートナーと位置づけられています。
外部に依頼する際は、どの業務を任せるのか、ショップの権限をどこまで渡すのかを決めたうえで契約すると、あとから認識のずれが起きにくくなります。
関連記事:【2026年最新】TikTok Shop公式認定パートナー(TSP)とは?TAP・CAPとの違いと確認方法|食品特化のTSPが解説
TikTok Shopのまとめ
最後に、本記事の要点を振り返ります。
- 定義:おすすめに流れる動画やLIVE配信で商品を見つけ、TikTokアプリの中で購入できるEC機能。日本では2025年6月30日に提供が始まった
- 仕組みと機能:流通総額の70%以上がコンテンツを起点とした購入。ショッピング動画とLIVE配信で商品と出会い、商品ショーケースとショップタブで購入を受け止め、アフィリエイトプログラムとTikTok Shop広告で販売を広げる
- 楽天市場・Amazonとの違い:おすすめの動画で商品と出会うのが入口の中心で、クリエイターの紹介も売り場の中の「おすすめ」に流れる
- 日本での現状:利用者は1年で30倍以上に増え、35歳以上が約6割を占める。ファッションから食品・家電まで幅広いジャンルで売れている
- メリットと注意点:自社を知らない人に商品が届き、クリエイターの紹介を成果報酬で頼める。一方で、販売できる商品か、動画と配信の体制、出荷の期限、出店直後の注文数の上限は事前に確認しておきたい
- 相性が良い商品と費用:動画で良さが伝わり、繰り返し買われる商品が向いている。初期費用・月額費用はかからず、販売手数料はカテゴリーごとに7〜12%
- 出店の流れと売上の作り方:区分を決めて申請し、初期設定と商品登録を済ませる。売上は、クリエイターの紹介、LIVE配信、GMV Max、セールを組み合わせて作る。当社の支援先である松屋フーズや下町バームクーヘンも、クリエイターの動画とGMV Maxを組み合わせて成果を上げている
最初の一歩は、自社の商品が販売できるカテゴリーかを確かめ、動画で見せたい商品を1つ決めることです。出店の準備や運用の進め方で迷うことがあれば、当社のTikTok Shopの運用支援サービスまでお気軽にご相談ください。





