GMV Maxとは?運用についてROI目標・予算・クリエイティブの決め方まで解説!

TikTok Shop GMV Max|動画・アルゴリズム・売上の自動最適化を表したイラスト

GMV Maxとは、TikTok Shopの売上(GMV)を伸ばすための広告です。運用者が商品・ROI目標・予算を決めると、配信先・入札・広告に使う動画の選定はシステムが自動で行います。

運用者が触れる設定は、それほど多くありません。そのぶん、ROI目標をどこに置くかと、広告に使える動画をどれだけ用意できるかで成果に差がつく、というのが当社の考えです。

GMV Maxを使い始めたばかりのころは、次のような点で迷うことが多いと思います。

  • 従来のショップ広告と何が違うのか、社内でうまく説明できない
  • ROI目標を何%に設定すればよいのか分からない
  • 予算がなかなか使われない、または毎日使い切ってしまう
  • どの動画を残し、いつ入れ替えればよいのか判断できない

判断の軸になるのは、商品ごとの損益分岐ROIです。損益分岐ROIを下限に置いて推奨ROIと見比べ、ROI目標を決めましょう。決めたあとは3日以上動かさず、その間に新しい動画を足していくのがよいと当社は考えています。

当社Gastroduce Japanは、食品・飲料を中心に60店舗以上のTikTok Shop出店者を支援しており、支援店舗群の月間流通総額は3.5億円にのぼります。支援先の下町バームクーヘンは、GMV MaxでROI 1,500%を達成しました。

本記事では、まずGMV Maxの仕組み・種類・メリットと、従来のTikTok Shop広告との違いを整理します。そのうえで、始め方、商品・ROI目標・予算・クリエイティブの決め方、数値の見方と見直し方、LIVEとセールでの使い方、注意点、事例を順に解説します。読み終えるころには、毎日・毎週・毎月に何を確認し、どの設定を動かせばよいかがはっきりするはずです。成果が安定しないと感じている方は、ぜひ自社の設定と見比べながら読んでみてください。

本記事の対象となる方

  • TikTok ShopでGMV Maxを配信している、またはこれから配信を始める事業者のEC・広告担当者の方
  • 楽天RPPやAmazonの広告は運用してきたものの、GMV Maxで何を調整すればよいか分からない方
  • GMV Maxの仕組みと、ROI目標・予算の決め方を、社内で説明できる形にしておきたい方

本記事を読んでわかること

  • GMV Maxの仕組み・種類・メリットと、従来のTikTok Shop広告との違い
  • 損益分岐ROIと推奨ROIを使ったROI目標の決め方と、出荷件数から考える日予算
  • 動画を足す・残す・外す判断と、毎日・週1回・月1回に見る数値
食品ECの運営代行・コンサルティング|ガストロ(GastroduceJapan)
監修者

若松 友貴

Gastroduce Japan株式会社 代表取締役社長

一橋大学商学部卒業後、2014年に楽天株式会社へ入社し、楽天市場ECコンサルタントとして累計1,000社超を担当。2017年に食品EC特化の実行型コンサルティング会社Gastroduce Japan株式会社を設立。現在はTikTok Shop公認パートナー(TSP)として60店舗以上を支援し、支援店舗群の月間流通総額は3.5億円を超える(2026年6月時点)。食品カテゴリー初のTikTok Shop「松屋フーズデー」の企画・運営や、「TikTok上半期トレンド大賞2026」ヒットアイテム部門受賞商品の支援を手がけ、2025年にはTikTok食品カテゴリ日商ランキング上位10商品のうち6商品を支援ブランドが占めた。日経MJ一面トップにも掲載。

目次
  1. GMV Maxとは?|TikTok Shopの売上を自動で伸ばす広告
  2. GMV Maxの種類と、従来のTikTok Shop広告との違い
  3. GMV Maxを利用する4つのメリット
  4. GMV Maxの運用とは?|運用者が決める4つのこと
  5. GMV Maxの始め方|セラーセンターでの設定手順
  6. GMV Maxで宣伝する商品の選び方
  7. GMV MaxのROI目標の決め方
  8. GMV Maxの予算の決め方
  9. GMV Maxのクリエイティブ(動画)の入れ替え方
  10. GMV Maxで見る数値と、成果が出ないときの見直し方
  11. LIVE GMV Maxの使い方|LIVE配信の売上を伸ばす
  12. セール期間のGMV Maxの使い方
  13. GMV Maxの注意点
  14. 【事例紹介】GMV Maxで成果が出た当社の支援事例
  15. GMV Maxに関するよくある質問
  16. GMV Maxのまとめ

GMV Maxとは?|TikTok Shopの売上を自動で伸ばす広告

GMV Maxとは、運用者が決めた商品・ROI目標・予算の範囲で、TikTok Shopの売上(GMV)が伸びるようにシステムが配信を組み立てる広告です。

TikTokのヘルプセンターにある移行の案内によると、2025年7月から、GMV MaxがTikTok Shop広告のデフォルトかつ唯一サポートされるキャンペーンタイプになるとされています。なお、この案内に対象の国・地域の記載はありません。

  • GMV Maxとは、TikTok Shopの売上(GMV)を伸ばすための広告
  • 配信先・入札・広告に使う動画の選定は、システムが自動で行う

GMV Maxとは、TikTok Shopの売上(GMV)を伸ばすための広告

GMV Maxとは、TikTok Shopの売上(GMV)を伸ばすための広告です。運用者が商品・ROI目標・予算を選び、その先の配信の組み立てはシステムが担います。GMV(流通取引総額)は、ショップで売れた商品の金額を合計したものです。

Seller Universityでは、運用者の作業を「商品、目標収益、予算を選択するだけです。残りはTikTokが行います。」と説明しています。配信の対象も広告枠に限らず、GMV Maxはオーガニックと広告の両トラフィックを横断的に最適化します。

配信先・入札・広告に使う動画の選定は、システムが自動で行う

配信する場所、入札の金額、広告に使う動画は、運用者ではなくシステムが選びます。広告が表示されるのは、「おすすめ」フィードや「ショップ」タブ、検索結果など、TikTok内のさまざまな場所です。

広告に使う動画も、自社の投稿・クリエイターのアフィリエイト動画・商品カードの中からシステムが自動で選びます。どの動画がどこに配信されるかを、運用者が1本ずつ指定する必要はありません。

関連記事:GMV Maxとは|TikTok Shopの自動最適化広告。効く店と効かない店を分ける3条件

GMV Maxの種類と、従来のTikTok Shop広告との違い

Product GMV MaxとLIVE GMV Maxを、伸ばす売上・配信するもの・配信の仕方・ROIの数え方・始めるときのポイントの5項目で比べた図。どちらも従来のショップ広告と違って設定が自動で、成果の数え方も異なることを示している

GMV Maxには、商品の売上を伸ばすProduct GMV Maxと、LIVE配信の売上を伸ばすLIVE GMV Maxの2種類があります。どちらも、手動で設定していた従来のショップ広告とは、設定の方法も成果の数え方も違います。

  • Product GMV Max:商品付きの動画と商品カードで、商品の売上を伸ばす
  • LIVE GMV Max:LIVE配信に視聴者を集め、配信中の売上を伸ばす
  • 従来の広告との違い:設定が自動で、成果の数え方も異なる

Product GMV Max:商品付きの動画と商品カードで、商品の売上を伸ばす

Product GMV Maxは、宣伝する商品を選び、その商品の売上が伸びるように動画と商品カードを配信するキャンペーンです。Seller Universityでは「商品GMV Max」という名前で紹介されています。

商品リンク付きの動画が多い商品ほど、広告に使える候補も増えます。とはいえ、動画がまだ少ない商品でも、商品カードを使えば配信は始められます。

LIVE GMV Max:LIVE配信に視聴者を集め、配信中の売上を伸ばす

LIVE GMV Maxは、LIVE配信の時間に視聴者を集め、配信中の売上を伸ばすキャンペーンです。ROI目標は、LIVE配信ルームごとに設定する仕組みです。

視聴者の集め方は2通りあります。アカウントの動画から配信へ誘導する「Video-to-LIVE」と、配信そのものを広告として表示する「LIVE-to-LIVE」で、どちらを使うかはシステムが自動で判断します。

従来の広告との違い:設定が自動で、成果の数え方も異なる

従来のショップ広告との大きな違いは、設定が自動であることと、成果の数え方です。Seller Universityの比較表では、両者の違いを次のように整理しています。

項目GMV Max従来の広告(動画ショッピング広告・商品ショッピング広告)
設定完全自動手動セットアップが必要
クリエイティブの選択最適な動画を自動選択手作業でクリエイティブを選択
重視されるトラフィック有料広告+オーガニック商品の表示機会有料広告のみ
アトリビューション(成果貢献度)期間同日(リアルタイム)クリック後7日以内、閲覧後1日以内
キャンペーンの重複同一商品で通常の広告と並行して実行できない複数のキャンペーンを同時に実行できる

表のとおり、GMV Maxでは設定もクリエイティブの選択も自動になり、オーガニックの表示機会まで含めて配信が最適化されます。同じ商品で従来の広告と並行して配信できない点も、切り替えの前に押さえておきたいポイントです。

GMV Maxを利用する4つのメリット

GMV Maxを利用するメリット4つ(細かい設定の手間が減る、ROI目標の範囲で売上を伸ばせる、オーガニックの表示機会も含めて伸ばせる、アフィリエイト動画も広告に使える)を並べ、浮いた時間を動画を増やす作業と商品ページ・在庫を整える作業に回すことを示した図

GMV Maxを利用するメリットは、配信の細かい調整をシステムに任せたうえで、オーガニックも含めたショップ全体の売上を、ROI目標の範囲で伸ばせることです。クリエイターの動画も広告に使えるため、自社だけでは用意しきれない本数の動画で配信できます。

  • 入札・配信面・動画の選定を任せられ、細かい設定の手間が減る
  • ROI目標の範囲で、ショップ全体の売上を伸ばせる
  • 広告だけでなく、オーガニックの表示機会も含めて売上を伸ばせる
  • クリエイターのアフィリエイト動画も広告に使える

入札・配信面・動画の選定を任せられ、細かい設定の手間が減る

GMV Maxでは、入札の金額、配信する場所、広告に使う動画の選定をシステムが行うため、運用者が細かい設定に張り付く必要がありません。キーワードや入札単価を日々調整する手間がなくなるぶん、浮いた時間は動画を増やす作業や、商品ページ・在庫を整える作業に回せます。

動画が増えれば、そのぶん広告の候補も増えます。商品ページや在庫を整えておけば、配信が広がったときにも、欠品や低い評価で売る機会を逃さずに済みます。

ROI目標の範囲で、ショップ全体の売上を伸ばせる

GMV Maxは、運用者が決めたROI目標の範囲で、売上が伸びるように配信を組み立てます。ROI目標に届かないときは、システムが配信量を自動で調整してくれるので、費用だけが膨らむ心配を抑えられます。

宣伝する商品を「すべての商品」にしておけば、あとから追加した商品も自動で配信の対象に入ります。幅広い商品を掲載するほど配信とGMVを伸ばしやすくなるため、売れ筋の数商品に限らず、ショップ全体の売上を伸ばす広告として使えるのも特長です。

広告だけでなく、オーガニックの表示機会も含めて売上を伸ばせる

GMV Maxは、広告枠だけでなく、オーガニックの表示機会も含めて配信を最適化します。「おすすめ」フィードや「ショップ」タブ、検索結果など、TikTokのさまざまな場所で商品が目に触れる機会を増やせるのが強みです。

その結果、GMV Maxの数字は、広告とオーガニックの両方の成果をまとめたものになります。広告とオーガニックで担当者を分けている会社では、この点を社内で共有しておくと、認識のずれを防げます。

クリエイターのアフィリエイト動画も広告に使える

承認されたクリエイターのアフィリエイト動画も、GMV Maxの広告に使われます。自社の投稿だけでは作りきれない本数の動画を、広告の候補として確保できるのは大きな利点です。

当社が支援する下町バームクーヘンも、自社で制作したショート動画とクリエイターの動画を組み合わせて配信し、成果を上げています。切り口の異なる動画がそろうほど、システムが売れる動画を見つけやすくなる、というのが当社の考えです。

GMV Maxの運用とは?|運用者が決める4つのこと

GMV Maxで、システムが自動で行うこと(配信先・入札・広告に使う動画の選定)と、運用者が決めること(商品・ROI目標・予算・クリエイティブ)を左右に分け、運用者は数値を見て4つの設定を見直すことを示した図

GMV Maxの運用とは、配信の組み立てはシステムに任せ、商品・ROI目標・予算と、広告に使える動画の供給を、数値を見ながら見直し続けることです。配信面や入札を動かせないぶん、この4つの設定の精度が成果を左右します。

  • 運用者が決めるのは、商品・ROI目標・予算と、広告に使える動画の供給の4つ
  • 配信面や入札は動かせないため、4つの設定を数値で見直し続ける

運用者が決めるのは、商品・ROI目標・予算と、広告に使える動画の供給の4つ

運用者が決めるのは、宣伝する商品、ROI目標(目標ROI)、予算、広告に使えるクリエイティブ(動画)の供給の4つです。どの動画を配信するかはシステムが選びますが、選ばれる候補を増やすのは運用者の役割です。

4つのうち、商品・ROI目標・予算はキャンペーンの作成画面で設定します。動画の供給は、自社の投稿やクリエイターへの依頼を通じて、日々増やしていくものです。

配信面や入札は動かせないため、4つの設定を数値で見直し続ける

従来の広告のように「配信面を変える」「入札を変える」という打ち手は、GMV Maxにはありません。キーワードや入札単価を自分で設定する楽天RPPに慣れていると、最初は手を動かす場所の違いに戸惑うかもしれません。

成果が伸びないときは、4つのうちどれが足を引っ張っているのかを数値から見つけ、そこに手を入れていきます。ここからは、設定の手順に続いて、4つをそれぞれどう決め、どう見直すかを順に解説します。

GMV Maxの始め方|セラーセンターでの設定手順

GMV Maxのキャンペーンは、セラーセンターの「マーケティング」から「ショップ広告」を開き、「広告ダッシュボード」で作成します。なお、画面上ではキャンペーンが「広告プラン」と表示されます。アカウントの接続から公開までの流れは、次の4ステップです。

  • ①「ショップ広告」の「アカウント管理」で、広告アカウントとTikTokアカウントを接続する
  • ②「GMV Max広告を作成」から「商品をプロモート」を選び、宣伝する商品を決める
  • ③「最適化と予算」で、商品ROI目標と日次予算を入力する
  • ④広告クリエイティブを「自動選択」にし、スケジュールを決めて公開する

①「ショップ広告」の「アカウント管理」で、広告アカウントとTikTokアカウントを接続する

最初に、「マーケティング」→「ショップ広告」→「アカウント管理」で、広告アカウントとTikTokアカウントを接続します。初めて「ショップ広告」を開いたときは、そのまま「アカウント管理」のページが開きます。

このとき、TikTok Shop・TikTok広告アカウント・TikTokアカウントの3つが、同じショップビジネスセンターに属している必要があります。接続でつまずいたときは、まずここを確認してみてください。

②「GMV Max広告を作成」から「商品をプロモート」を選び、宣伝する商品を決める

「広告プランを作成」の画面。1が「商品をプロモート」、2が「すべての商品」と「選択済みの商品」の選択、3が「商品を除外する」と、他の広告プランで使われている商品が自動的に除外されたことを示す注記。商品の点数はマスクしている

広告ダッシュボードの右上にある「GMV Max広告を作成」をクリックし、「広告プランを作成」の画面で「商品をプロモート」を選びます。宣伝する商品は、「すべての商品」と「選択済みの商品」のどちらかで指定します。

「すべての商品」を選ぶと、あとから追加した商品も自動で対象に入ります。「選択済みの商品」なら、最大500点まで手動で選ぶ形です。どちらを選んだ場合も、「商品を除外する」から対象外にしたい商品を指定できます。

画面の注記にあるとおり、ほかの広告プランで使っている商品は自動的に除外されます。広告プランを複数つくる予定があるなら、どの商品をどのプランに入れるかを作成前に決めておくと、あとで整理し直す手間が省けます。

③「最適化と予算」で、商品ROI目標と日次予算を入力する

次に、「最適化と予算」で、「商品ROI目標」と「日次予算」を入力します。どちらの欄にも、システムの推奨値が表示されます。

入力欄のROI目標は%ではなく倍率で、ROI 500%を目指すなら「5」と入れます。推奨値をそのまま採用するかどうかは、自社の損益分岐ROIや、自社で決めた月の広告費の上限と並べてから判断するのがおすすめです。

④広告クリエイティブを「自動選択」にし、スケジュールを決めて公開する

「広告クリエイティブ」の設定。1がモード「自動選択」、クリエイティブソース(承認済み投稿・アフィリエイトの投稿・カスタム投稿)、TikTokアカウントの選択数。広告に使う動画のサムネイルはマスクしている

「広告クリエイティブ」のモードは「自動選択」のままにし、開始日時と広告プラン名を決めて公開します。クリエイティブのソースとして並ぶのは、承認済み投稿・アフィリエイトの投稿・カスタム投稿の3つです。

公開した時点で、同じ商品を使う動画ショッピング広告は一時停止され、商品ショッピング広告からもその商品が配信対象から外れます。広告プラン名には商品のグループ名と開始月を入れておくと、あとで一覧から見分けやすくなります。

GMV Maxで宣伝する商品の選び方

宣伝する商品は、配信できる商品をなるべく含めたうえで、よく売れている商品を優先し、利益の構造が近い商品ごとにキャンペーンを分けます。在庫やレビューの評価に不安のある商品は、配信の前に整えておくと安心です。

  • 配信できる商品はなるべく含め、よく売れている商品を優先する
  • 利益の構造が近い商品ごとにキャンペーンを分ける
  • 在庫が少ない商品や評価が下がっている商品は、先に在庫と評価を整える

配信できる商品はなるべく含め、よく売れている商品を優先する

配信できる商品は、なるべく多くキャンペーンに含めましょう。掲載する商品の幅が広いほど、配信量もGMVも伸ばしやすくなるためです。

そのうえで優先したいのは、すでによく売れている商品です。売れている商品はGMVを大きく押し上げやすい一方、もともとの売上が小さい商品は、伸びても日々の売上の変動に埋もれて効果が見えにくくなります。

利益の構造が近い商品ごとにキャンペーンを分ける

当社では、原価率や送料の比率が近い商品ごとにキャンペーンを分けることをおすすめしています。ROI目標の下限は、商品ごとの利益で決まります。利益の構造がまったく違う商品を1つのキャンペーンにまとめてしまうと、どこに目標を置けばよいかが定まりません。

たとえば冷凍便で送るセット商品と常温の単品とでは、売価に占める送料の比率が大きく違います。損益分岐ROIが近い商品どうしをまとめておけば、ROI目標も1つに絞りやすくなるでしょう。

在庫が少ない商品や評価が下がっている商品は、先に在庫と評価を整える

在庫が少ない商品や、レビューの評価が下がっている商品は、配信を強める前に在庫と評価を整えましょう。配信が広がれば、欠品や低い評価もそれだけ多くの人の目に触れてしまいます。

とくに、売れた分をすぐに作り足せない商品は、キャンペーンに入れる前に出荷できる数を確認しておくと安心です。

GMV MaxのROI目標の決め方

ROI目標は、商品ごとの損益分岐ROIを下限にして、推奨ROIと比べて決めます。一度決めたら3日以上は据え置き、変えるときも小刻みに動かすのが基本です。

  • GMV MaxのROIは「収益総額÷費用」で、オーガニックの注文も含む
  • ROI目標の下限は、商品ごとの損益分岐ROIにする
  • 推奨ROIが損益分岐ROIを上回っていれば、推奨値で始める
  • ROI目標を下げると配信が広がり、上げると予算が使われにくくなる
  • ROI目標を変えるときは3日以上あけ、1回の幅を小さくする
  • インセンティブの対象商品は、推奨値から変えると特典が外れる

GMV MaxのROIは「収益総額÷費用」で、オーガニックの注文も含む

GMV MaxのROIは、キャンペーンの収益総額を広告の費用で割った値です。費用は、画面では「費用」、Seller Universityでは「コスト」と表記されています。本記事ではROIを%で表し、収益総額が費用の5倍なら500%と書きます。分子にあたる収益総額は、購入者が支払った金額から消費税を引き、商品割引分を加えた金額です。

成果の数え方については、公式のページによって説明が異なります。ヘルプセンターによると、Product GMV Maxのキャンペーン中に宣伝した商品の注文は、広告とのエンゲージの有無に関わらず、GMV Maxにアトリビュートされます。一方のSeller Universityは、広告を視聴またはクリックした日の売上だけを数える「同日アトリビューション」と説明しています。

どちらの説明に沿っても、GMV MaxのROIは、広告だけが生んだ売上で計算した効率より高く出ることがあります。ROI目標を決めるときは、この数え方を頭に置いておいてください。

ROI目標の下限は、商品ごとの損益分岐ROIにする

ROI目標の下限は、その商品を売って利益がゼロになるROI(損益分岐ROI)にしましょう。損益分岐ROIは、次の式で求められます。

損益分岐ROI(%)= 税抜の売価 ÷ 1個あたりの粗利 × 100(= 1 ÷ 粗利率 × 100)

式の粗利は、税抜の売価から原価・送料・資材費・販売手数料を差し引いた金額を指します。GMV Maxの収益総額は消費税を除いた金額なので、売価も税抜でそろえておきましょう。たとえば粗利率40%の商品なら、損益分岐ROIは250%です。冷凍・冷蔵の食品のように送料の比率が高い商品では、送料を入れ忘れると下限を実際より低く見積もってしまうので注意が必要です。

関連記事:ROASの目安は「業界平均」では決まらない|損益分岐ROASの出し方と食品ECの基準

推奨ROIが損益分岐ROIを上回っていれば、推奨値で始める

「最適化と予算」の画面。1が「90%の日次目標ROIが保護されています」の表示(1日あたり20件を超えるコンバージョンが必要、ROIの引き下げは1回のみ可能)、2が「商品ROI目標」の入力欄、3が推奨値3つと競争力の表示。入力値・推奨値・割合はマスクしている

キャンペーンの作成画面に表示される推奨ROIが損益分岐ROIを上回っているなら、まずは推奨値で始めてみましょう。推奨ROIは、類似する商品やLIVE配信ルームのリアルタイムのデータをもとに、毎日更新されている値です。

作成画面の「商品ROI目標」の下には推奨値が3つ並び、それぞれに「非常に競争力が高い」「適度に競争力がある」「競争力が低い」の表示と、類似商品全体の何%より競争力があるかの割合が添えられています。

競争力が高い推奨値ほど、ROI目標の数字は低めです。どれを選ぶにしても、先に損益分岐ROIを下回っていないかを確かめておきましょう。また画面には、ROI目標を一定の値以下にすると追加の広告投資額の50%相当を手数料の割引で補助する、という案内が出ることもあります。

推奨値の扱いについては、公式のページどうしでも書き方が少し違います。Seller Universityが「最良の結果を得るには、推奨されたROI値を使用しましょう。」と案内しているのに対し、ヘルプセンターのProduct GMV Maxのベストプラクティスは「システムの推奨ROIに従うか、少し低い目標を設定しましょう。」としています。

推奨ROIが損益分岐ROIを下回っている場合は、損益分岐ROIをROI目標にして始めることをおすすめします。新商品の立ち上げで赤字を許容するケースもありますが、それはリピート率を実際に計測できている商品に限ったほうが安全です。

ROI目標を下げると配信が広がり、上げると予算が使われにくくなる

ROI目標を横軸に置き、低い側では配信が広がり予算が使われやすく、高い側では配信が絞られ予算が残りやすいことを示した図。損益分岐ROIを下限の線、推奨ROIを始める位置として示している

ROI目標を低くすると配信と売上が増えやすく、高くすると予算が使われにくくなります。ROI目標を高くすると、システムが支出を抑える方向に動くからです。

つまり、ROI目標は高ければ高いほど良いという数字ではありません。損益分岐ROIを守れる範囲で、配信量とのバランスを見ながら置くものだと考えてください。

ROI目標を変えるときは3日以上あけ、1回の幅を小さくする

ROI目標は、一度決めたら少なくとも3日間は変えないようにしましょう。GMV Maxは毎日ROIを最適化しているため、目標を頻繁に変えると学習の妨げになってしまいます。

変える頻度には、ROI保護の条件も関わってきます。作成画面には「90%の日次目標ROIが保護されています」という表示があり、1日あたり20件を超えるコンバージョンが必要だと添えられています。あわせて表示されるのが、「ROI目標は1回のみ引き下げることができます。プロモーション期間のオン/オフの切り替えなど、その他の変更はできません。」という注意書きです。さらにヘルプセンターによると、Product GMV MaxのROI目標を手動で変更した日は、ROI保護が適用されません。

ROI目標を変えるときは、注文の件数と予算の消化の速さを見て、上げるか下げるかを決めるのが当社のおすすめです。動かす幅も、一度に大きくせず少しずつにとどめましょう。

ここで具体例として、当社と松屋フーズホールディングスの合弁事業であるモールハックの運用を紹介します。モールハックは、1日のCV(注文)が20件以上で予算の消化が早い店舗では、ROIを段階的に引き上げています。

引き上げる幅は1回あたり100〜200ポイント(例:500%を600〜700%に)、上限の目安は2,000%程度です。翌日もCVが20件を保てていれば、同じ幅でさらに引き上げます。反対にCVが20件を下回った店舗では、ROIをいったん下げ、表示回数の回復を優先しています。この「20件」という基準について、モールハックは広告クレジットの受給要件と連動させていると説明しています(ROI保護の画面の見出しは「20件を超える」)。

なお、翌日に続けて引き上げるモールハックの例は、公式の「少なくとも3日間」より短い間隔です。注文が多く数字が安定している店舗での例として受け止め、迷ったときは公式の3日を基準にしてください。

インセンティブの対象商品は、推奨値から変えると特典が外れる

GMV MAXインセンティブプログラムの対象になった商品は、推奨された予算とROI目標のとおりに設定しないと特典を受けられません。対象の商品には、商品選択画面で緑色のバッジが付きます。

予算かROI目標のどちらかを推奨値から変えると、キャンペーンが続いていてもブーストの対象から外れます。特典の期間は商品によって異なり、通常は30~60日です。

このプログラムは、すべてのショップに表示されるわけではありません。対象になった場合も、推奨されたROI目標が損益分岐ROIを上回っているかを確かめてから適用するのが安全です。

GMV Maxの予算の決め方

日予算は、推奨予算と自社で決めた上限の低いほうから始め、1日に出荷できる件数から計算した上限を超えない範囲に収めます。予算を上げるタイミングは、ROI目標を達成したまま予算を使い切る日が続いたときです。

  • 最初の日予算は、推奨予算と自社の上限の低いほうで置く
  • 日予算の上限は、1日に出荷できる件数から計算する
  • ROI目標を達成したまま予算を使い切る日が続いたら、日予算を段階的に上げる

最初の日予算は、推奨予算と自社の上限の低いほうで置く

「最適化と予算」の日次予算と「高度な最適化」。1が推奨予算の説明(過去の広告支出に基づいて推奨、予算はROI目標が達成された場合にのみ消費)、2が「自動予算増加」、3が「特別イベント」の「プロモーション期間」。金額・回数・ROI目標の値はマスクしている

最初の日予算は、TikTokが提案する推奨予算を目安にしつつ、自社で決めた月の広告費の上限を超えないように置きましょう。推奨予算の計算式は、ヘルプセンターのベストプラクティスに載っています。

推奨予算 = 2 × 過去の非LIVE GMV ÷ ROI目標(ROI目標が500%なら5で割る)

式の非LIVE GMVは、宣伝する商品のLIVE以外の売上を指します。ただ、作成画面の「日次予算」には「過去の広告支出に基づいて推奨されます」と表示されており、推奨額の元になる数字について、ヘルプの式とは書き方が異なります。

推奨予算は、あくまで売上を伸ばす観点から出された値です。自社の資金繰りや利益の計画までは考慮されていないため、初めてGMV Maxを使う場合は、推奨予算と自社の上限を並べて低いほうから始めるのが安全です。

日予算の上限は、1日に出荷できる件数から計算する

日予算の上限は、売上の目標ではなく、1日に出荷できる件数から計算しましょう。当社では、1日に出荷できる件数を先に決め、そこから広告の投下量を設計しています。この考え方を式にすると、上限の目安は次のとおりです。

日予算の上限 ≒ 1日に出荷できる件数 × 平均の注文単価(税抜)÷ ROI目標(500%なら5)

たとえば1日に100件まで出荷でき、平均の注文単価が3,000円、ROI目標が500%であれば、100 × 3,000 ÷ 5 = 6万円が日予算の上限の目安になります。GMV Maxの収益総額にはオーガニックの注文も含まれるので、件数は広告経由に限らず、宣伝する商品の全注文で数えてください。

出荷が追いつかずに発送が遅れれば、評価が下がり、その後の配信にも響きかねません。とくに冷凍・冷蔵の食品は、配送業者が1日に引き受けられる数にも限りがあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。

ROI目標を達成したまま予算を使い切る日が続いたら、日予算を段階的に上げる

ROI目標を達成したうえで予算を使い切る日が続いたら、日予算を少しずつ上げましょう。目指す水準は、予算の消費率が80%未満に収まる日予算です。パフォーマンスが上がるのに合わせて、予算も段階的に増やしていきます。

上げる前には、在庫と出荷の余力もあわせて確認しておきましょう。一度に大きく上げると配信が大きく変わり、数字の良し悪しを見極めにくくなります。

作成画面にある「自動予算増加」のトグルを使えば、ROI目標を達成していて予算を消化しきりそうな日に、日次予算を自動で増やすこともできます。システムは同日中に日予算を50%、最大10回まで増額し、翌日には元の日予算に戻る仕組みです。この機能を使う場合も、画面で設定する「予算上限」は、出荷件数から計算した上限の範囲に収めておきましょう。

GMV Maxのクリエイティブ(動画)の入れ替え方

GMV Maxのクリエイティブは、広告に使える動画を増やして毎週新しい動画を追加し、外す動画は数字で候補を絞ってから収益総額と中身で決めます。費用が高いというだけで動画を外すのは避けましょう。

  • 動画に商品リンクを付け、アフィリエイト動画も広告に使えるようにする
  • 「自動選択」のまま、新しい動画を毎週追加する
  • 費用が高くROIが低い動画でも、収益総額が大きければ外さない
  • 外す動画は、候補を数字で絞り、収益総額と動画の中身で決める
  • 売れた動画の切り口を、次の自社動画とクリエイターへの依頼に引き継ぐ

動画に商品リンクを付け、アフィリエイト動画も広告に使えるようにする

GMV Maxのメニューの「クリエイティブ」の画面。1がメニューの「クリエイティブ」、2が指標(収益総額(現在のショップ)・リンク付き投稿・承認済み投稿の総数・一括承認を使用しているクリエイター)、3が「+追加」の「商品リンク」「動画をアップロード」。指標の値・前回比・グラフはマスクしている

GMV Maxが広告に使えるのは、商品リンクが付いていて、正しく接続されたアカウントの動画だけです。商品リンクのない動画や、接続していないアカウントの動画は、広告の候補に入りません。

自社の動画は商品リンクを付けて投稿し、TikTokアカウントもビジネスセンターのショップに接続しておきましょう。クリエイターのアフィリエイト動画も、承認されたものは広告に使われます。自社だけでは作りきれない本数を確保するうえで、心強い存在です。

リンク付き投稿や承認済み投稿の数は、GMV Maxのメニューの「クリエイティブ」画面で確認できます。同じ画面の「+追加」からは、「商品リンク」と「動画をアップロード」を選ぶことも可能です。

「自動選択」のまま、新しい動画を毎週追加する

広告クリエイティブは「自動選択」のままにし、新しい動画を毎週追加しましょう。システムが試せる候補が増えるほど、売れる動画は見つかりやすくなる、というのが当社の考えです。

追加する動画は、同じ内容の撮り直しではなく、つかみ・オープニング・テンポ・クリエイター・特典・商品デモなどのどこかに変化をつけたものを用意しましょう。

参考までに、モールハックでは週1回を目安に新しい動画を2〜3本補充し、追加から48〜72時間は、成果が落ちても構成を戻さずに様子を見ています。

費用が高くROIが低い動画でも、収益総額が大きければ外さない

動画を評価するときは、ROIや費用よりも収益総額を先に見ましょう。というのも、よく売れる動画ほど多く配信されるため、費用が高くなり、ROIが低く見えることがあります。

当社では、費用が高いという理由だけで動画を外すことはおすすめしていません。売上を大きく稼いでいる動画を外せば、ショップ全体の売上まで下がりかねないためです。

外す動画は、候補を数字で絞り、収益総額と動画の中身で決める

外す候補は再生数や消化金額で絞り込み、最後は収益総額と動画の中身を見て決めましょう。1日の数字だけで判断すると、配信が安定する前の動画まで外してしまうおそれがあります。そのため、直近7日間の成果を見て判断するのがよいと当社は考えています。

具体例を挙げると、モールハックは消化金額が1,000円以上で売上件数が0件の動画を、必ず外す対象にしています。あわせて週1回、再生数が下位20%の動画も外す候補に入れています。

表示に問題がある動画や、販売を終えた商品の動画も外す対象です。ただし、広告から外してもオーガニックでは表示され続けるため、表示に問題がある動画は投稿そのものを見直す必要があります。

売れた動画の切り口を、次の自社動画とクリエイターへの依頼に引き継ぐ

収益総額の大きい動画は、何が購入につながったのかを言葉にして、次の動画の企画に引き継ぎましょう。冒頭数秒のつかみなのか、商品の見せ方なのか、価格や特典の伝え方なのか。効いた部分を社内とクリエイターに共有しておくと、次の企画が立てやすくなります。

クリエイターへの依頼も、1本の当たりに賭けるより、同じ商品を異なる切り口で何本か制作してもらう形がおすすめです。

GMV Maxで見る数値と、成果が出ないときの見直し方

GMV Maxで見る数値を、毎日(「キャンペーン」の画面の「概要」:費用・ROI・予算の減り方・在庫切れ)、週1回(一覧の「商品」「クリエイティブ」タブ:商品別・動画別の収益総額)、月1回(GMV Maxを使う前と後の非LIVE GMV)の3列に分けた図

数値は、毎日・週1回・月1回で見る場所を分けておきます。成果が出ないときに備えて、症状ごとに最初に確認する場所も決めておくと迷いません。大切なのは、設定を動かす前に原因がどこにあるのかを切り分けることです。

  • 毎日:費用・ROI・予算の減り方と、在庫切れを確認する
  • 週1回:一覧の「商品」「クリエイティブ」タブで、商品別・動画別の収益総額を比べる
  • 月1回:GMV Maxを使う前と後で、宣伝した商品の非LIVE GMVを比べる
  • 予算が使われないときは、ROI目標・日予算・動画の本数を確認する
  • ROIが目標を下回るときは、設定を変える前に売上が落ちた商品と動画を特定する
  • ROIが目標どおりでも売上が増えないときは、ROI目標を少し下げる

毎日:費用・ROI・予算の減り方と、在庫切れを確認する

GMV Maxのメニューの「キャンペーン」の画面の上部。1がメニューの「キャンペーン」、2が広告アカウント名の横の「プライマリー」のラベル、3が「概要」の指標(費用・SKU発注・収益総額・ROIなど)。アカウント名・指標の値・前回比・グラフはマスクしている

毎日の確認は、GMV Maxのメニューから「キャンペーン」の画面を開き、上部の「概要」で費用・SKU発注・収益総額・ROIなどの指標を見るところから始めましょう。あわせて、予算が使われる速さと、宣伝中の商品に在庫切れがないかもチェックします。

画面の例のように期間を7日に選ぶと、各指標に前回の7日間との比較が表示されます。ただし、毎日見る目的は異常に早く気づくことで、毎日設定を動かすことではありません。Product GMV MaxのROI目標は3日以上あけて動かし、予算も同じ間隔で動かすのがおすすめです。

週1回:一覧の「商品」「クリエイティブ」タブで、商品別・動画別の収益総額を比べる

広告ダッシュボードのキャンペーン一覧。1が「Product GMV Max」「LIVE GMV Max」のタブ、2が「各キャンペーン」「商品」「クリエイティブ」のタブ、3が各広告プランの「アナリティクス」「編集」「最適化」。広告プラン名と予算はマスクしている

週1回は、広告ダッシュボードのキャンペーン一覧にある「商品」「クリエイティブ」のタブで、商品別・動画別の収益総額を比べましょう。どの商品とどの動画が売上を作っているかが分かるので、動画の追加や入れ替えを判断する材料になります。

商品を比べたら、収益総額が伸びている商品に動画を集中させるのか、伸び悩んでいる商品の動画を増やすのかを決めましょう。動画を入れ替える週次の作業も、この確認と同じ日にまとめておくと管理が楽です。

月1回:GMV Maxを使う前と後で、宣伝した商品の非LIVE GMVを比べる

月1回は、GMV Maxを使う前と後で、宣伝した商品のLIVE以外の売上(非LIVE GMV)がどれだけ増えたかを比べましょう。広告によって売上がどれだけ増えたのかは、ROIを見るよりも、この前後比較のほうが確実に分かります。

非LIVE GMVは、セラーセンターのデータコンパスにある商品タブで、GMVからLIVE GMVを引いて計算します。大規模なプロモーションの期間中やその直後は売上が変動しやすいため、比べる期間にはプロモーション期間を含めないようにしましょう。

予算が使われないときは、ROI目標・日予算・動画の本数を確認する

予算が使われないときは、ROI目標が高すぎないか、日予算が低すぎないか、広告に使える動画が足りているかを確認しましょう。予算が使われない原因は、通常、ROI目標が高すぎるか、1日の予算が低すぎるかのどちらかです。

ただ、3つのうち最初に見てほしいのは動画の本数です。動画が十分にあるのに予算が使われないなら、損益分岐ROIを下回らない範囲でROI目標を少し下げてみましょう。

ROIが目標を下回るときは、設定を変える前に売上が落ちた商品と動画を特定する

ROIが目標を下回るときは、予算やROI目標を変える前に、一覧の「商品」「クリエイティブ」タブで、前の週より収益総額が落ちた商品と動画を特定しましょう。配信の最適化はシステムが担っているので、まずは配信される中身、つまり商品と動画の側から原因を探すのが当社のおすすめです。

収益総額が落ちたのが特定の動画であれば、同じ切り口の新しい動画を足しましょう。特定の商品であれば、その商品の価格・在庫・レビューの評価を確認します。原因を探さずに設定だけを動かすと、配信が細って、かえって原因が見えにくくなってしまいます。

ROIが目標どおりでも売上が増えないときは、ROI目標を少し下げる

ROIは目標を達成しているのに売上が増えない場合、ROI目標が高すぎて配信が絞られている可能性があります。広告に使える動画が足りていることを確認したうえで、損益分岐ROIを下回らない範囲でROI目標を少し下げましょう。

下げたあとは3日以上様子を見てから、次の判断をします。売上が増えても、ROIが損益分岐ROIに近づきすぎるようなら、ROI目標を元に戻すのが無難です。

LIVE GMV Maxの使い方|LIVE配信の売上を伸ばす

LIVE GMV Maxの流れを、配信の前(誘導に使う動画を投稿する)、開始時(予算は推奨値か過去のLIVE広告の2〜3倍から)、開始から1日後(予算の減り方でROI目標を上げ下げする)、3日以上(配信の時間帯と長さをそろえて続ける)の4段階で示した図

LIVE GMV Maxは、3日以上のキャンペーンで配信の時間帯と長さをそろえ、開始1日後の予算の減り方を見てROI目標を調整します。ROIの数え方もProduct GMV Maxとは異なり、「LIVE配信ルームの総GMV ÷ 総広告費」で算出されます。

  • キャンペーンは3日以上続け、配信の時間帯と長さをそろえる
  • 予算は推奨値か、過去のLIVE広告の2〜3倍から始める
  • 開始から1日たったら、予算の減り方を見てROI目標を上げ下げする
  • 配信ごとに、LIVEへ誘導する動画を入れ替える

キャンペーンは3日以上続け、配信の時間帯と長さをそろえる

LIVE GMV Maxのキャンペーンは、最低3日間は続けましょう。1回の配信の長さについては、ヘルプセンターに販売期間が3時間を超えると、1回あたりのGMVの伸びが一般的に速くなりますとあります。

キャンペーン期間中は、配信のタイミングと長さをそろえておきましょう。曜日と時間帯を固定すれば、日ごとの数字も比べやすくなります。

予算は推奨値か、過去のLIVE広告の2〜3倍から始める

予算は、システムの推奨値か、過去のLIVE広告の2〜3倍を目安に設定しましょう。多めに感じる金額かもしれませんが、目標ROIをほぼ達成できる見込みがある場合を除き、予算が全額使い切られることはありません。

予算は1日単位で設定し、キャンペーンの開始後もいつでも変更できます。在庫の少ない商品を配信で売るなら、売り切れたあとの配信をどう進めるかも事前に決めておくと、当日に慌てずに済みます。

開始から1日たったら、予算の減り方を見てROI目標を上げ下げする

開始から1日たった段階で、予算の減り方が想定より遅ければROI目標を下げ、速ければ予算かROI目標を上げましょう。予算の消費が速いのは、通常、キャンペーンのパフォーマンスが良いサインです。

Product GMV Maxの「3日間」とは別に、LIVE GMV Maxでは1日後の見直しが目安になっています。とはいえ、1日目の数字だけを見て何度も設定を変えるのは禁物です。一度変えたら、次の配信の結果を確かめてから次の調整を考えましょう。

配信ごとに、LIVEへ誘導する動画を入れ替える

配信の前に、その回で売る商品を紹介する動画を投稿し、LIVEへの誘導に使える状態にしておきましょう。Video-to-LIVEでは、アカウントに投稿した動画が配信への誘導に使われるためです。

誘導に使う動画には、その回で売る商品と特典が伝わるものを選びましょう。配信のテーマが変わったら、誘導用の動画もテーマに合わせて入れ替えていきます。

セール期間のGMV Maxの使い方

セール期間に向けては、自動で作られた広告の設定を確認し、セールの前から配信と動画の追加を続けておきます。期間中の数字は、通常の週と分けて評価しましょう。

  • GMV Max対応のキャンペーンでは、自動で作られた広告のROI目標と予算を確認する
  • セールの前から配信を続け、新しい動画を追加しておく
  • セール期間の数値は、通常の週と分けて評価する

GMV Max対応のキャンペーンでは、自動で作られた広告のROI目標と予算を確認する

GMV Max対応のキャンペーンに参加した商品にGMV Max広告がない場合、キャンペーン開始日の7日前までに広告が自動で作成されます。自動で作られた広告のROI目標と予算には、開催日までに必ず目を通しておきましょう。

キャンペーンの特典やサポートを受け続けるには、GMV Max広告を有効にしておかなければなりません。ただ、自動で作られた広告の設定が、自社の損益分岐ROIや日予算の上限に合っているとは限りません。設定値は、自社の数字と照らし合わせて確認しておくことが大切です。

関連記事:【2026年最新】TikTok Shopのセールとは?年間スケジュールから参加方法まで解説!

セールの前から配信を続け、新しい動画を追加しておく

セールの当日に配信を始めるのではなく、セールの前から配信を続けておきましょう。直前に設定を大きく変えてしまうと、配信が安定しないままセール初日を迎えることになりかねません。

セール前の週には、セールの特典が伝わる新しい動画を追加しておきましょう。日予算の上限を上げる場合は、その前に在庫とキャンペーン数量も確認しておきます。

セールに関係する設定として、作成画面の「高度な最適化」には、「特別イベント」の「プロモーション期間」というトグルもあります。画面では「購入意欲の高いショッピング期間中に、より高い収益総額を得るため、広告プランを自動的に最適化します」と説明されています。プロモーション期間中は、システムがROI目標を10%、20%、または30%引き下げ、予算も既定で50%増額されます。

ヘルプでは、イベントの少なくとも3〜5日前に有効化するようすすめています。有効化する前に、引き下げ後のROI目標が損益分岐ROIを下回らないかを計算しておきましょう。もう1つ気をつけたいのが、ROI保護との関係です。ROI保護の表示では、プロモーション期間のオン/オフの切り替えが「その他の変更」に挙げられています。ROI保護の対象になっている広告プランであとから切り替えると、保護の条件を外れるおそれがあるため、作成の段階で有効にしておくことをおすすめします。

セール期間の数値は、通常の週と分けて評価する

セール期間の売上やROIは、通常の週と分けて評価しましょう。ROI目標や日予算を見直すときは、セールが終わったあとの通常の週の数字をもとに判断します。

セール期間の好調な数字を基準にしてしまうと、通常の週にはROI目標が高すぎる状態になり、配信が必要以上に絞られることがあるためです。

GMV Maxの注意点

GMV Maxを使うときに気をつけたいのは、手動の広告が止まること、GMV Maxを配信できる広告アカウントがショップごとに1つに限られること、そして配信が増えるほど表示の誤りも広がることです。LIVE GMV Maxについては、作成前に既存の広告を止める必要もあります。

  • 同じ商品の手動広告は止まり、GMV Maxを終えても自動では再開しない
  • GMV Maxを配信できる広告アカウントは、1つのショップにつき1つだけ
  • 配信が増えるほど、表示の誤りも多くの人に届く
  • LIVE GMV Maxは、既存のLIVEショッピング広告とGMV Maxをオフにしてから作成する

同じ商品の手動広告は止まり、GMV Maxを終えても自動では再開しない

Product GMV Maxを始めると、同じ商品を使う動画ショッピング広告は一時停止され、複数の商品を含む商品ショッピング広告からは、その商品が配信から外れます。しかも、GMV Maxのキャンペーンが終わっても、止まった広告は自動では再開されません。

止まった広告は手動で再開できるので、GMV Maxを止める予定があるときは、再開したい広告を事前にリストアップしておくとスムーズです。

GMV Maxを配信できる広告アカウントは、1つのショップにつき1つだけ

GMV Maxの広告を利用できる広告アカウントは、1つのショップにつき1つだけです。GMV Maxに使う広告アカウントを別のアカウントに切り替えると、それまでのアカウントにあったGMV Maxのキャンペーンは一時停止されます。

GMV Maxのメニューの「キャンペーン」の画面上部には、使っている広告アカウントの名前とあわせて「プライマリー」のラベルが表示されます。社内の担当者と代理店が別々の広告アカウントを使っている場合は、どちらのアカウントでGMV Maxを配信するかを先に決めておきましょう。

配信が増えるほど、表示の誤りも多くの人に届く

GMV Maxで配信が増えると、動画や商品ページの表示の誤りも、それだけ多くの人に届きます。配信を強める前に、効果を言い切る表現や、通常価格と並べた割引の表示に問題がないかを点検しておきましょう。

食品の場合、「食べるだけで痩せる」のように体への効果を言い切る表現は、自社の動画にもクリエイターへの依頼文にも入れないよう注意が必要です。クリエイターの動画も広告として配信されるので、避けてほしい表現は依頼の段階で伝えておくことをおすすめします。

関連記事:食品ECの二重価格表示|「4,980円→2,490円」が景表法に触れる線引きと8週間ルール

LIVE GMV Maxは、既存のLIVEショッピング広告とGMV Maxをオフにしてから作成する

すでにLIVEショッピング広告やGMV Maxのキャンペーンを実施している場合は、新しいLIVE GMV Maxを作る前に、それらをオフにする必要があります。作成するには、セラーセンターで「管理者」か「広告タブ」の権限を持っていることも条件です。

LIVE GMV Maxが始まると、ショップの公式TikTokアカウントのLIVEショッピング広告は一時停止され、LIVE GMV Maxが終わっても自動では再開しません。配信のたびに広告を切り替えている場合は、LIVE GMV Maxに一本化するかどうかを先に決めておくと、運用が混乱せずに済みます。

【事例紹介】GMV Maxで成果が出た当社の支援事例

当社が支援した下町バームクーヘンと松屋フーズは、自社の動画とクリエイターの動画を数多く用意し、GMV Maxで成果を上げました。ここで紹介する数字は、いずれもTikTok for Businessが公表しているものです。

また、合弁事業のモールハックの支援先にも、GMV Max広告の最適化でROAS 1,000%を達成した実績があります(モールハックの表記はROAS)。

下町バームクーヘン:自社の動画とクリエイターの動画を組み合わせ、ROI 1,500%

当社が支援する下町バームクーヘンは、Product GMV MaxでROI 1,500%、単月の広告経由の売上900万円超を達成しました。GMVも前月比で7,900%成長しています。

下町バームクーヘンは、食品ジャンルのセラーの中でもいち早くGMV Maxを導入し、自社で制作したショート動画とクリエイターの動画を組み合わせて配信しました。クリエイターの動画は、広告用アフィリエイトクリエイティブ(ACA)として広告に活用しています。

松屋フーズ:約150本のUGC動画から反応のよい動画に広告をかけ、初月からROI 800〜900%

当社が支援する松屋フーズは、TikTok Shopの開始初月からGMV Maxを活用し、ROIは800〜900%で推移しました。月末には、ROIが1,000%を超える日もありました。

立ち上げの段階で150本ほどのUGC動画を一気に制作・投稿し、その中から成果の高い動画に広告を投下しています。クリエイターには、1つの商品サンプルにつき最低3本の動画を、それぞれ異なる切り口で制作してもらいました。

関連記事:【2026年最新】TikTok Shopの食品の成功事例6選!共通点から再現の条件まで解説

ROI目標の決め方や動画の入れ替えに迷ったときは、当社のTikTok Shop支援サービスにもお気軽にご相談ください。

GMV Maxに関するよくある質問

ここからは、GMV Maxについてよくいただく質問にお答えします。

Q1:GMV Maxの広告に使う動画は、何本あれば足りますか?

決まった本数はありませんが、TikTok for Business Japanの担当者が示した目安があります。松屋フーズの事例を紹介した記事の中で示されている目安は、「1SKUあたり最低5本、週に1回は新しい動画を追加いただくことで、より成果につながりやすくなります」というものです。

動画がなくても、商品カードを使えばキャンペーン自体は始められます。そのうえで、この目安を当面の目標に、商品リンク付きの動画とクリエイターの動画を少しずつ増やしていくのが当社のおすすめです。

Q2:GMV Maxに学習期間はありますか?

学習期間の日数は、Seller Universityの「商品GMV Maxの概要」にも、ヘルプセンターのProduct GMV Maxのベストプラクティスにも書かれていません。ベストプラクティスに示されているのは、ROIを頻繁に変えると学習の妨げになるため、ROIの設定を少なくとも3日間は維持する、という目安です。

LIVE GMV Maxでも、キャンペーンを最低3日間続けることが目安とされています。設定を変えたら、3日間は結果を待ってから次の判断をするとよいでしょう。

Q3:GMV MaxのROIと、ほかの広告のROASは比べられますか?

そのまま比べることはできません。GMV MaxのROIにはオーガニックの注文も含まれるため、広告経由の売上だけを数えるROASとは中身が違うからです。

従来の動画ショッピング広告は、クリック後7日以内・閲覧後1日以内の広告経由の売上で数える仕組みでした。楽天RPPなどほかのモールの広告と並べて見るときも、数え方の違いを踏まえておきましょう。

Q4:GMV MaxのROIが損益分岐ROIを上回っていれば、広告は黒字ですか?

黒字とは限りません。GMV MaxのROIには、広告がなくても売れていた注文が含まれる場合があるためです。

広告による利益を確かめたいときは、月1回の非LIVE GMVの前後比較で、GMV Maxを使い始めてから売上がどれだけ増えたかを見ましょう。ROIが損益分岐ROIを上回っていることは、黒字の証明ではなく、最低限の条件として扱うのが安全です。

Q5:GMV Maxを止めると、売上はどうなりますか?

オーガニックの表示機会も含めて配信が減るため、売上が下がることがあります。実際、当社が支援した松屋フーズでは、決済の連携遅延で誤って広告を止めてしまった際、その瞬間に売上が半減しました。

GMV Maxを止めるときは、止める期間と、そのあいだの売上の見込みを事前に社内で共有しておきましょう。

Q6:GMV Maxの運用を代行会社に任せるとき、自社で決めておくことはありますか?

あります。商品ごとの損益分岐ROI、月の広告費の上限、1日に出荷できる件数の3つは、自社で決めたうえで代行会社に伝えておきましょう。

いずれも、自社の利益と物流の事情によって決まる数字です。その範囲の中で、ROI目標・予算・動画の入れ替えを代行会社に判断してもらう形にすると話が進めやすいと、当社は考えています。

GMV Maxのまとめ

最後に、GMV Maxの仕組みと運用の要点を振り返ります。

  • GMV Maxとは:TikTok Shopの売上を伸ばすための広告。運用者が商品・ROI目標・予算を決め、配信先・入札・広告に使う動画の選定はシステムが自動で行う
  • 種類と従来の広告との違い:商品の売上を伸ばすProduct GMV Maxと、LIVE配信の売上を伸ばすLIVE GMV Maxがある。設定とクリエイティブの選択が自動で、オーガニックの表示機会も含めて配信が最適化される
  • メリット:入札・配信面・動画の選定をシステムに任せ、オーガニックの表示機会も含めたショップ全体の売上を、ROI目標の範囲で伸ばせる。クリエイターのアフィリエイト動画も広告に使える
  • 運用で決めること:商品・ROI目標・予算と、広告に使える動画の供給の4つを、数値を見ながら見直し続ける
  • 始め方:セラーセンターの「ショップ広告」で、アカウントを接続してから作成する
  • 商品:配信できる商品はなるべく含め、よく売れている商品を優先する。利益の構造が近い商品ごとにキャンペーンを分け、在庫と評価を先に整える
  • ROI目標:ROIは収益総額÷費用。税抜の売価で出した損益分岐ROIを下限にし、推奨ROIが上回っていれば推奨値で始める。変えるときは3日以上あけ、小さい幅で動かす。インセンティブの対象商品は推奨値から変えると特典が外れる
  • 予算:推奨予算と自社の上限の低いほうから始め、上限は1日に出荷できる件数×平均の注文単価÷ROI目標で考える。ROI目標を達成したまま使い切る日が続いたら段階的に上げる
  • クリエイティブ:商品リンク付きの動画とアフィリエイト動画を広告に使えるようにし、「自動選択」のまま毎週追加する。費用が高くても収益総額が大きい動画は外さず、外す動画は数字で絞ってから収益総額と中身で決める
  • 数値と見直し・LIVE・セール・注意点:毎日は費用・ROI・予算の減り方と在庫、週1回は商品別・動画別の収益総額、月1回は非LIVE GMVの前後比較を見る。LIVE GMV Maxは3日以上・時間帯と長さをそろえ、セールは通常の週と分けて評価する。手動広告の停止と、GMV Maxを配信できる広告アカウントが1つであることにも注意する

まずは、宣伝している商品の損益分岐ROIを計算し、いまのROI目標と並べるところから始めてみてください。それだけでも、いまの設定にどれくらい余裕があるのかが見えてきます。ROI目標の設定や動画の供給を、運用の現場ごと任せたいときは、当社のTikTok Shop支援サービスまでお気軽にご相談ください。

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