粗利率の計算式は「売上総利益÷売上高×100」。原価率と表裏の関係にあり、食品ECでは原価率が高くなりがちなぶん、送料・広告費・手数料を織り込んで販売価格を決めないと、粗利が残っているように見えて実際は赤字という状態に陥りやすい。計算式と食品EC特有の注意点を整理する。
粗利率・原価率の計算式
原価率=原価÷売上高×100
粗利率(売上総利益率)=売上総利益÷売上高×100
両者は「原価率+粗利率=100%」の関係にあり、原価率が分かれば粗利率は自動的に求まる。
販売価格を決めるときは、原価と目標粗利率から逆算する方法が使いやすい。
販売価格=原価÷(1-目標粗利率)
例えば原価700円の商品で粗利率30%を確保したい場合、販売価格は700÷(1-0.3)=約1,000円となる。
業種別の原価率の目安
業種によって原価率の水準は大きく異なるとされ、目安として飲食・宿泊業は32.76%程度、小売業は70.21%程度、製造業は78.92%程度という数値が紹介されている。食品ECは原材料費に加えて包装資材・保冷剤・保冷ボックスなどの副資材原価もかかるため、一般的な小売業の原価率より高めに出やすい点を踏まえて価格設計をする必要がある。
食品ECで粗利率を見るときの注意点
粗利率だけを見て「利益が出ている」と判断するのは危険。食品ECでは粗利から差し引くべき変動費が多く、送料(クール便代を含む)、モール手数料、決済手数料、広告費(RPPやスポンサープロダクトなど)を粗利から引いた後の「営業利益ベース」で見て初めて、実質的に儲かっているかどうかが分かる。特にクール便を使う商品は、常温便に比べて送料が数百円単位で上乗せされるため、粗利率が高く見えても営業利益段階で赤字ということが起こりやすい。
粗利率を改善する方向性
改善の打ち手は大きく3つ。(1)仕入れロットの見直しによる原価低減、(2)歩留まり改善・廃棄ロス削減による実質原価の圧縮、(3)セット販売やまとめ買い提案による送料・広告費の商品単価あたり負担軽減。値上げによる粗利率改善は最も即効性があるが、モール内での価格競争力が落ちるリスクもあるため、原価・歩留まりの改善を優先し、値上げは最後の手段として検討するのが現実的な順序になる。
まとめ
粗利率は「売上総利益÷売上高×100」で計算でき、原価率と表裏の関係にある。食品ECでは副資材原価とクール便送料が原価率を押し上げやすいため、粗利率だけでなく送料・手数料・広告費を差し引いた営業利益ベースで採算を確認することが欠かせない。
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出典
よくある質問
Q1. 粗利率と原価率の関係は?
A1. 原価率+粗利率=100%の関係にあります。原価率が分かれば粗利率は自動的に求まります。
Q2. 目標粗利率から販売価格を決めるには?
A2. 「販売価格=原価÷(1-目標粗利率)」で計算します。原価700円・目標粗利率30%なら約1,000円になります。
Q3. 食品ECの原価率は他業種より高くなりやすいですか?
A3. 一般的な小売業の目安(70%程度)に加え、包装資材・保冷剤などの副資材原価がかかるため、高めに出やすい傾向があります。
Q4. 粗利率が高ければ黒字と判断してよいですか?
A4. 送料・モール手数料・決済手数料・広告費を差し引いた営業利益ベースで見ないと、実質的な採算は判断できません。
Q5. クール便を使う商品はどこに注意すべきですか?
A5. 常温便より送料が上乗せされるため、粗利率が高く見えても営業利益段階で赤字になりやすい点に注意が必要です。
Q6. 粗利率を改善する優先順位は?
A6. 値上げより先に、仕入れロット見直しによる原価低減や歩留まり改善によるロス削減を検討するのが現実的です。
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