EC化率とは?食品カテゴリーは4.52%|物販系全体との差と伸びしろ

食品ECの市場規模とEC化率の構造を表したイラスト

経済産業省が2025年8月に公表した令和6年度「電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の食品・飲料・酒類カテゴリーのEC化率は4.52%にとどまる。物販系分野全体のEC化率9.8%と比べても半分以下で、生活家電・AV機器等(43.03%)と比べれば10倍近い差がある。結論から言えば、食品カテゴリーはEC化が最も遅れている物販分野の一つであり、裏を返せばモールでの先行者優位を取りやすい伸びしろの大きい市場でもある。

EC化率とは|計算式

EC化率(%)= EC市場規模 ÷ その分野の市場規模全体 × 100

「消費者がその分野で買い物をする際、どれだけの割合をネット経由で購入しているか」を示す指標で、経済産業省の市場調査では物販系分野を8カテゴリーに分けて毎年公表している。

2024年度・食品カテゴリーのEC化率の実態

経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025年8月公表)の物販系分野データは以下のとおり。

分野 EC化率 備考
物販系分野 全体 9.80% 前年比+0.4pt
食品・飲料・酒類 4.52% 市場規模3兆1,163億円(前年比+6.36%)
生活雑貨・家具・インテリア 32.58% –
生活家電・AV機器・PC・周辺機器等 43.03% –
書籍・映像・音楽ソフト 56.45% 物販系で最高水準

食品カテゴリーは市場規模そのものは3兆円を超えて成長しているが、EC化率で見ると物販系の中でも低い水準にとどまっている。

食品カテゴリーのEC化率が低い理由

  • 送料・梱包コストの重さ:常温・冷蔵・冷凍で温度帯管理が必要になり、クール便コストが単価を押し上げる。
  • 実店舗の近接性:スーパーやコンビニが徒歩圏にあり、鮮度をその場で確認して買える安心感に勝ちづらい。
  • 賞味期限・鮮度への不安:ネット購入では届くまでの鮮度・賞味期限が見えにくく、返品もしづらい。

EC化率の低さは「伸びしろ」でもある

ネットスーパーの拡大などにより、食品・飲料・酒類の市場規模自体は前年比6.36%増と物販系の中でも高い成長率を維持している。EC化率が低いということは、今からモールでの露出・レビュー・リピート施策を固めた事業者が、カテゴリーの成長とともに先行者優位を取りやすいことを意味する【推測】。実際、楽天・Amazon・Yahoo!・TikTok Shopのいずれも食品カテゴリーの伸長を重点施策に据える動きが続いている。

モールごとに何から着手するか

EC化率が低いカテゴリーほど、検索での比較検討よりも「たまたま見つけて試す」導線の設計が効いてくる。モールによって効くチャネルが異なるため、まずは自社商材が強い需要構造を持つモールを見極めたい。モール別の使い分けは食品ECモールの選び方|楽天・Amazon・Yahoo!・TikTok Shopは「需要構造」で使い分けるで整理している。複数モールを横断して立ち上げから運用まで進めたい場合は、モール横断のEC運営代行サービスも選択肢になる。

まとめ

2024年度の食品・飲料・酒類のEC化率は4.52%で、物販系全体(9.8%)の半分以下にとどまる。送料・鮮度・賞味期限といった食品特有の壁がある一方、市場規模自体は前年比6.36%増と伸びている。EC化率の低さを「まだ間に合う伸びしろ」と捉え、モール選定とリピート設計を先に固めることが重要になる。

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