食品表示法に基づく加工食品の表示は、名称から栄養成分表示まで13項目を、決まった順番で「一括表示」の枠内にまとめて記載するのが基本です。結論から言うと、原材料名・添加物は重量の多い順、栄養成分表示は定められた成分の並び順を変えてはいけないなど、項目ごとに記載順のルールが異なります。食品ECの商品ページでは、パッケージの一括表示を写真でそのまま見せるだけでなく、読みやすいテキストに起こして補足することが重要です。
若松 友貴
一橋大学商学部卒業後、2014年に楽天株式会社へ入社し、楽天市場ECコンサルタントとして累計1,000社超を担当。2017年に食品EC特化の実行型コンサルティング会社GastroduceJapan株式会社を設立。現在はTikTok Shop公認パートナー(TSP)として60店舗以上を支援し、支援店舗群の月間流通総額は3.5億円を超える(2026年6月時点)。食品カテゴリー初のTikTok Shop「松屋フーズデー」の企画・運営や、「TikTok上半期トレンド大賞2026」ヒットアイテム部門受賞商品の支援を手がけ、2025年にはTikTok食品カテゴリ日商ランキング上位10商品のうち6商品を支援ブランドが占めた。日経MJ一面トップにも掲載。
一括表示とは何か
一括表示とは、食品表示基準で定められた表示事項を、容器包装の見やすい箇所に枠で囲んでまとめて記載する方式のことです。食品表示基準の別記様式に従い、原則として一つの枠内に必要事項を集約します。なお、アレルゲン表示のように個別表示が難しい場合に「(一部に〇〇を含む)」とまとめて書く方法も「一括表示」と呼ばれますが、この記事では主に加工食品表示全体の一括表示枠を指して解説します。
一括表示に記載する13項目
加工食品の表示は、食品表示基準別記様式1に従い、次の項目を記載するのが基本です。
- ①名称
- ②原材料名
- ③添加物
- ④アレルゲン
- ⑤遺伝子組換えに関する表示
- ⑥原料原産地名
- ⑦内容量
- ⑧消費期限または賞味期限
- ⑨保存方法
- ⑩原産国名
- ⑪食品関連事業者の氏名または名称および住所
- ⑫製造所等の所在地および製造者等の氏名または名称
- ⑬栄養成分表示
賞味期限の年月表示や保存方法の書き方など、個別項目の詳細ルールは賞味期限表示のルールとは|「年月」表示にできる条件と、食品ECで書くときの注意点も参考にしてください。
記載順番のルール
項目ごとに、記載する順番にもルールがあります。
- 原材料名:原材料に占める重量割合の高いものから、最も一般的な名称で表示します。
- 添加物:加工助剤・キャリーオーバーを除き、原材料と同様に重量割合の高い順に表示します。
- 栄養成分表示:様式で定められた成分と熱量の並び順を変えることはできません。
原材料名・添加物の書き方や原料原産地表示の詳細は、加工食品の原料原産地表示制度とは|対象範囲と食品ECの商品ページでの書き方でも解説しています。
アレルゲン表示・原料原産地名表示との関係
アレルゲン表示には個別表示と一括表示の2通りがありますが、どちらか一方に統一する必要があり、両方を併用することはできません。個別表示によりがたい場合は、原材料名の最後に「(一部に〇〇を含む)」とまとめて記載します。アレルギー表示の対象品目や書き方の詳細は食品ECのアレルギー表示義務|特定原材料8品目・推奨20品目とコンタミ表記の書き方を参照してください。
原料原産地名についても、一括表示の枠内に表示箇所を明記したうえで枠外に表示するレイアウトが認められています。表示が不要になる例外ケースは栄養成分表示・添加物表示が「不要」になるケースとは|食品ECの表示免除ルールで整理しています。
食品ECの商品ページでの扱い方
食品ECの商品ページでは、パッケージの一括表示を撮影した画像をそのまま掲載するだけでなく、同じ内容をテキストでも書き起こしておくと、検索性とユーザーの読みやすさの両方に有利です。項目の抜け漏れや記載順の誤りがあると法令違反になり得るため、新商品を登録する際は一括表示の原稿を社内でダブルチェックする体制を整えておくことをおすすめします。商品ページ全体の構成は食品ECの商品ページと食品表示|法律上は義務外。それでも載せるべき3項目もあわせて確認してください。
商品登録や表示チェックの体制づくりについては、食品ECモール運営代行サービスでもご相談いただけます。
まとめ
一括表示は、名称から栄養成分表示までの13項目を、決まった順番で一つの枠にまとめて記載する表示方式です。原材料名・添加物は重量順、栄養成分表示は様式順固定など、項目ごとに記載順のルールが異なるため、食品ECの商品ページでも転記ミスがないよう注意が必要です。法令上の正確な要件は、必ず消費者庁の食品表示基準の原文または所管窓口で確認してください。
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出典
- 横浜市「食品表示について(事業者向け)」
- 消費者庁「食品表示基準」別記様式1(加工食品の表示事項)
- 当社が食品EC商品ページ制作で確認している実務上の留意点(2026年10月時点)
よくある質問
Q1. 一括表示とは具体的に何を指しますか?
A. 食品表示基準で定められた名称・原材料名・添加物など13項目を、容器包装の見やすい箇所に枠で囲んでまとめて記載する表示方式です。
Q2. 一括表示の記載順番は自由に決めてよいですか?
A. いいえ。原材料名・添加物は重量割合の高い順、栄養成分表示は様式で定められた並び順が決まっており、変更できません。
Q3. アレルゲン表示は一括表示と個別表示のどちらを使うべきですか?
A. どちらか一方に統一する必要があり、併用はできません。個別表示が難しい場合に一括して「(一部に〇〇を含む)」と記載します。
Q4. 食品ECの商品ページには画像だけ載せれば十分ですか?
A. 画像の掲載に加えて、同じ内容をテキストでも書き起こしておくと、検索性やユーザーの読みやすさの面で有利です。
Q5. 原料原産地名も一括表示の枠内に書く必要がありますか?
A. 枠内に表示箇所を明記したうえで枠外に表示するレイアウトも認められています。
Q6. 記載内容に不安がある場合はどこに確認すればよいですか?
A. 消費者庁の食品表示基準の原文、または自治体の食品衛生担当窓口に確認することをおすすめします。





