食品ECの商品ページに、食品表示基準そのものを載せる法的義務はない。ただし、アレルギー情報だけは事情が異なる。実店舗のパッケージに書かれた「特定原材料8品目」の表示は、購入前に確認したいという実需が強く、記載を怠ると健康被害につながりかねない。ここでは義務表示の8品目と推奨表示の20品目の違い、コンタミ(意図しない混入)表記の書き方、ECの商品ページでの実践的な載せ方を整理する。
結論|ECの商品ページは表示義務の対象外。それでもアレルギー情報は載せる
食品表示基準が定める表示義務は、容器包装された食品そのものに対するもので、ECサイトの商品ページ(ウェブ上の説明文)は対象外とされている。とはいえ、これは「書かなくてよい」という意味ではない。パッケージの実物を手に取れないEC購入では、原材料・アレルギー情報を事前に確認できないことが離脱やクレームの原因になりやすく、実務上はパッケージに記載された内容を商品ページにも転記するのが標準的な対応になっている。
特定原材料8品目|必ず表示が必要なアレルゲン
食品表示基準で、症例数や重篤度から表示が義務付けられている「特定原材料」は次の8品目。
- えび
- かに
- くるみ
- 小麦
- そば
- 卵
- 乳
- 落花生(ピーナッツ)
もともとは7品目だったが、くるみのアレルギー症例増加を受けて2023年に追加され、現在は8品目になっている(2025年4月からは表示の完全義務化に対する経過措置も終了している)。8品目のいずれかを原材料として使っている場合、または製造ライン等で混入するおそれがある場合は、その旨を明記する必要がある。
特定原材料に準ずるもの|推奨20品目
義務ではないが、表示が推奨されている「特定原材料に準ずるもの」も定められている。アーモンド・カシューナッツ・くるみ以外のナッツ類・大豆・牛肉・鶏肉・豚肉・さけ・さば・いか・いくら・あわび・オレンジ・キウイフルーツ・バナナ・もも・りんご・やまいも・ゼラチン・ごまなどが対象で、2024年にはマカダミアナッツが推奨品目に追加され、まつたけが削除される改正が行われている。推奨品目は義務表示の8品目と違って罰則はないが、症例が一定数報告されているものが選ばれているため、可能な範囲で表示しておくと購入者の安心材料になる。
【推測】品目リストは今後も改正される可能性があるため、最新の内容は消費者庁の「食品表示基準」「食品表示基準Q&A」で確認するのが確実。
コンタミ表記の書き方
製造ラインが共通しているなどの理由で、意図せずアレルゲンが混入する可能性がある場合の注記を、現場では「コンタミ表示」と呼ぶことが多い。パッケージでは「本製品の製造ラインでは、〇〇(特定原材料等)を含む製品を生産しています」といった注意喚起の一文を添えるのが一般的な書き方で、原材料としては使用していない場合でも記載される。ECの商品ページでも、パッケージにこの注記がある場合は同じ文言をそのまま転記し、原材料由来のアレルゲンと混同されないよう項目を分けて記載するのが望ましい。
ECの商品ページでの実践的な載せ方
- 原材料表示とは別枠でアレルギー情報をまとめる:原材料一覧の中に埋もれさせず、「アレルギー表示」という見出しを立てて8品目のうち該当するものを明記する。
- パッケージ画像だけに頼らない:画像内の文字は検索にも引っかからず、拡大しないと読めないケースも多いため、テキストとしても本文に記載する。
- リニューアル時の更新を仕組み化する:原材料や製造ラインの変更でアレルゲン表示が変わることがあるため、パッケージ変更時に商品ページを更新する運用フローを決めておく。情報の鮮度がずれると、表示と実物の不一致という別のリスクを生む。
まとめ
食品表示基準上、ECの商品ページへの表示義務はないが、特定原材料8品目(えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生)は購入前の確認ニーズが特に高く、記載しておくべき情報。推奨20品目とコンタミ表記もあわせて掲載し、パッケージ変更時に商品ページも更新する運用を組んでおくと、表示と実物のずれによるトラブルを防ぎやすい。
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よくある質問
食品ECの商品ページにアレルギー表示は義務ですか?
食品表示基準の対象は容器包装された食品そのもので、ECサイトの商品ページ(説明文)は対象外。ただし購入前の確認ニーズが高いため、記載しておくのが望ましい。
特定原材料は何品目ありますか?
2023年にくるみが追加され、現在は8品目(えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生)。
特定原材料に準ずるもの(推奨表示)は何品目ですか?
20品目が定められている。2024年にマカダミアナッツが追加され、まつたけが削除される改正が行われた。
コンタミ表示とは何ですか?
原材料としては使用していなくても、製造ラインの共有などで意図せずアレルゲンが混入する可能性がある場合に行う注意喚起の表示。「本製品の製造ラインでは〇〇を含む製品を生産しています」のような文言が一般的。
アレルギー表示を間違えるとどうなりますか?
【推測】表示と実際の原材料が異なると健康被害につながるおそれがあり、回収(リコール)や行政指導の対象になり得る。パッケージ変更時に表示内容を確認するフローを設けておくことが重要。
アレルギー表示はどこを確認すればよいですか?
メーカーのパッケージに記載された表示が一次情報になる。最新の制度内容は消費者庁が公開している「食品表示基準」「食品表示基準Q&A」で確認できる。
出典
アレルギー表示以外にECの商品ページに載せるべき項目は食品ECの商品ページと食品表示|法律上は義務外。それでも載せるべき3項目で整理している。





