楽天市場の商品画像は、サイズを満たしていれば良いというものではありません。推奨サイズは正方形で700×700ピクセル以上ですが、これはあくまで入り口で、実際に店舗運営に効いてくるのは「1枚目に何を載せるか」のほうです。
この記事では、楽天の商品画像登録ガイドラインの4つのルールを整理したうえで、テキスト占有率20%という制約の中で、何を1枚に入れるかという設計の話までつなげます。占有率は自分で計算できるので、計算式も載せます。
先にお断り:本記事は2026年9月時点で楽天が公開している情報をもとに整理しています。ガイドラインの細則や判定方法は改定される可能性があるため、実際の登録前には必ずRMSの店舗運営Navi(ログインが必要です)で最新版をご確認ください。
結論
楽天の商品画像は正方形・700×700ピクセル以上が推奨で、ガイドラインの対象は第1商品画像とSKU画像です。商品説明文の中に置く画像は対象外です。
ルールは4つ。テキスト占有率20%以下・枠線なし・背景は単色白または写真背景・アニメーションGIFは使わない。この制約下では1枚に詰め込める情報が限られるため、「テキストで説明する」発想から「画像そのもので伝える」発想への切り替えが必要になります。
楽天の商品画像登録ガイドライン:対象と4つのルール
楽天のRMSサービススクエアで公開されている内容をまとめると、次のとおりです。
| 対象画像 | 第1商品画像とSKU画像(商品説明文などに置く画像は対象外) |
|---|---|
| 推奨サイズ | 正方形で700×700ピクセル以上 |
| ルール1 | 商品画像内に配置するテキスト要素の占有率は20%以下 |
| ルール2 | 枠線なしの商品画像を登録する |
| ルール3 | 背景は単色白または写真背景を使用する |
| ルール4 | アニメーションGIFはガイドライン対象画像へ登録しない |
| 目的 | より魅力的で分かりやすい商品画像を通じて、購買体験の向上を目指すこと |
「枠線なし」は見落とされやすいところです。画像の四辺を囲む線だけでなく、上部や下部に帯状に入れた色面、L字型のあしらいも枠として扱われ得ます。テンプレートを使い回している店舗ほど、過去のデザインがそのまま残っていることがあります。
サイズは700×700px以上。では実際に何pxで作るか
700×700ピクセルはあくまで下限です。実際の制作では、これより大きい正方形(たとえば1,000×1,000ピクセルや1,200×1,200ピクセル)で作っておくほうが扱いやすくなります。
【推測】高解像度ディスプレイでの表示や、将来的な表示仕様の変更を考えると、下限ぴったりで作るより余裕を持たせたほうが作り直しのコストが下がる、というのが当社の運用上の判断です。これはガイドラインに書かれた要件ではなく、運用上の考え方としてお読みください。
一方で、ファイルサイズが大きすぎると表示が重くなります。正方形・700ピクセル以上という条件を満たしたうえで、書き出し時に適切に圧縮する、という順番で考えるのが実務的です。
「テキスト占有率20%以下」を自分で計算する
20%という数字は、面積で考えると具体的になります。
計算式
画像の総面積 = 幅(px)× 高さ(px)
使えるテキスト面積 = 総面積 × 0.2
700×700ピクセルの画像なら、総面積は490,000平方ピクセル。その20%は98,000平方ピクセルです。
ここで分かりやすい目安が出ます。画像の幅いっぱいにテロップ帯を置く場合、その帯の高さは画像の高さの20%までです。700×700なら帯の高さは140ピクセルまで(700×140=98,000)。1,200×1,200なら240ピクセルまで(1,200×240=288,000=総面積1,440,000の20%)。画像サイズが変わっても比率は同じなので、「高さの2割」と覚えておけば現場で判断できます。
| 画像サイズ | 総面積(px²) | テキストに使える面積(px²) | 幅いっぱいの帯なら高さ |
|---|---|---|---|
| 700×700 | 490,000 | 98,000 | 140px |
| 1,000×1,000 | 1,000,000 | 200,000 | 200px |
| 1,200×1,200 | 1,440,000 | 288,000 | 240px |
テキストが複数箇所に分かれている場合は、それぞれの占める面積を足し合わせて判断します。上部に見出し帯、下部に価格訴求、右上にバッジ、という構成にすると、合計で20%を超えやすくなります。
なお、占有率の厳密な判定方法は楽天側の基準によります。上記はあくまで自分で当たりをつけるための目安として使い、最終的な適合判定はRMSが提供する判定機能や店舗運営Naviの事例集で確認してください。
制約の中で、1枚目に何を入れるか
テキストが2割までということは、残り8割は画像そのもので伝えるしかないということです。ここが第一画像設計の本題になります。
食品カテゴリで店舗運営を支援する中で、第一画像には2つの役割があると整理しています。
| 役割 | 何を見せるか | 効きやすい商材 |
|---|---|---|
| しずる感 | 湯気・断面・とろみ・艶。食欲を直接刺激する状態 | スイーツ、精肉、麺類、惣菜 |
| 生活置換イメージ | 自分の食卓に置いたところが想像できる構図。調理後の完成形と使用シーン | 冷凍食品、半加工品、調味料、粉もの |
特に調理済み・半加工・冷凍系は、第一画像の改善による効果が出やすいカテゴリです。理由ははっきりしていて、「食べ方が分からない」という理由での離脱が多いからです。パッケージだけを撮った画像は、商品が何であるかは伝えますが、買ったあとの生活を伝えません。調理後の完成形を1枚目に入れると、この離脱要因がひとつ消えます。
もうひとつ、当社が運用で確認している傾向として、刺さる画像は「等身大の日常」と「少し上の生活」の交点にあります(2026年9月時点)。日常感だけだと「いつでも買える」と後回しにされ、憧れだけだと「自分には関係ない」と距離を置かれます。忙しい平日の夜でも作れる、けれど食卓に出すと少し良く見える。この両方が同時に成立している画が、もっとも動きます。
【推測】この2層構造が効くのは、購買判断が「自分の生活に置けるか」と「置いたら何が良くなるか」の2段階で進むためだと考えられますが、当社の運用実感であり、公的に検証された知見ではありません。
テキストに使える2割は、何に使うべきか
2割しか使えないなら、優先順位を決める必要があります。
- 画像で伝わらないことだけを書く:内容量、入数、セット構成、冷凍/常温の別。これらは写真では伝わりません
- 画像で伝わることは書かない:「おいしい」「ジューシー」といった形容詞は、しずる感のある写真があれば不要です
- 景品表示法に触れる表現を入れない:根拠のない「日本一」「No.1」、打消し表示が読めない二重価格表示は、画像内であっても問題になります
画像内のテキストも表示の一部です。景品表示法まわりの整理はこちらの記事でも触れていますが、優良誤認・有利誤認のリスクは商品ページ本文だけでなく画像にも及びます。
TikTokの標準は「テロップ31%」。楽天の20%とは別物
「動画用に作ったクリエイティブを第一画像に流用する」というやり方は、楽天では通りません。数字で見るとはっきりします。
当社がTikTok Shopの日本市場・食品飲料カテゴリーで売上上位50動画を分析したところ、価格テロップの最大表示は使用率100%、テロップが画面に占める面積は平均31.2%でした(2026年9月時点の分析)。楽天のガイドラインが定める上限は20%ですから、TikTokで標準的な見せ方は、そのままでは楽天の基準を1.5倍超過します。
| 項目 | TikTok Shop 上位50動画 | 楽天 第1商品画像 |
|---|---|---|
| テキストの占有率 | 平均31.2%(価格テロップを最大表示) | 20%以下 |
| テロップ密度 | 平均2.6個/秒 | 静止画のため該当なし |
| 枠・帯 | 上部1/3に価格帯、左下にCTA帯を常時固定 | 枠線なし |
| 背景 | 意図的に暗くして商品を浮かせる演出が主流 | 単色白または写真背景 |
方向性が真逆です。TikTokは「情報を重ねて離脱を防ぐ」設計、楽天は「画像そのもので伝える」設計。同じ素材を使い回すのではなく、撮影データは共通化し、書き出しをモールごとに分けるという作り方に切り替えてください。
画像を変える前に、CTRが主犯かを確かめる
売上が伸びないときに第一画像から手をつけるのは、半分正解で半分間違いです。当社では次の分解で、必ずボトルネックを1つに絞ってから打ち手を決めています。
GMV = IMP × CTR × CVR × 客単価 ×(リピート率)
露出/サムネイル/説得・LP/品番設計、と主犯が変わります。
| 指標 | 標準 | 優秀 | 低いときの主犯 |
|---|---|---|---|
| CTR(クリック率) | 2〜5% | 5%超 | 第一画像、煽り文、価格の見え方 |
| CVR(転換率) | 1〜3% | 5%超 | 商品ページ、レビュー、価格、クーポン設計 |
現場でいちばん多い間違いは、CTRが低いのに商品説明文を書き直すことです。クリックされていない=説明文は読まれていないので、何を書き直しても数字は動きません。逆にCTRが5%出ているのにCVRが1%未満なら、画像は仕事をしていて、止まっているのはページ側です。
「なんとなく売れていない」ではなく「CTRが1.2%だから第一画像を変える」と数字で言えるかどうか。ここが分かれ目になります。
第一画像に実際に何を置くか
当社が運用でチェックしている具体項目です(2026年9月時点)。ガイドラインの範囲内で効きやすい順に並べています。
- 価格の見せ方:元値と割引後を並記する場合、元値は白・割引後は黄色で約2倍のサイズ。並記するだけでなく、視線が割引後に落ちる設計にする
- 権威の後付け:受賞歴や累計レビュー数をバッジとして載せる。写真を撮り直さずに追加できるので、改善の初手として費用対効果が高い
- 店舗独自性が出ているか:同じカテゴリの競合画像と並べたとき、自店のものだと分かるか
- 地域性が出せているか:産地・県名は食品カテゴリで最も強い信頼の記号のひとつ。上位50動画でも原産地・品質キーワードの明示は使用率78%でした
- 調理後の完成形:とくに冷凍・半加工。「食べ方が分からない」という離脱を1枚で消せる
ワードの置き場所には注意:「訳あり」という切り口は、動画では強力です(上位50動画のうち56%が使用し、使用動画の1,000視聴あたり売上は非使用比で約1.34倍)。ただし商品名や商品画像に直接入れると、モールによっては違反判定を受けることがあります。訴求の中身と、それを置く場所は分けて設計してください。
なお、価格表記そのものが景品表示法の対象です。元値に実売実績がない二重価格、画像内の「期間限定」の文字などは事故につながります。詳しくはステマ規制とインフルエンサー施策の事故防止チェックにまとめています。
モールが変わると、1枚目の役割も変わる
楽天の第一画像は、検索結果の一覧で他店と並んだときに選ばれるための画像です。比較の文脈に置かれています。
一方でTikTok Shopの場合、購入者は動画を見てから商品ページに来ます。第一画像は「比較して選ばせる」ためではなく、動画で生まれた購買意欲を確認して後押しするための画像として機能します。同じ画像を全モールに流用すると、この役割の違いを取りこぼします。
モールごとの需要構造の違いは食品ECモールの選び方で整理しています。
よくある質問
楽天の商品画像のサイズは何ピクセルが正解ですか?
楽天が推奨しているのは正方形で700×700ピクセル以上です。これは下限であり、1,000×1,000ピクセルや1,200×1,200ピクセルなど、より大きい正方形で作っても問題ありません。縦横比が正方形であることと、700ピクセル以上であることが条件です。
商品画像登録ガイドラインの対象はどの画像ですか?
第1商品画像とSKU画像が対象です。商品説明文の中に配置する画像は対象外とされています。ただし対象外の画像であっても、景品表示法などの法令上の制約は当然かかります。
テキスト占有率20%はどう計算しますか?
画像の総面積(幅×高さ)に0.2を掛けた面積が上限です。700×700ピクセルなら98,000平方ピクセルまで。画像の幅いっぱいに帯を置く場合は、帯の高さが画像の高さの20%までと考えると判断しやすくなります。テキストが複数箇所にある場合は合計で判断します。
商品画像に枠線を入れてはいけないのですか?
ガイドラインでは枠線なしの画像を登録するよう定められています。四辺を囲む線だけでなく、上部や下部の帯状の色面、L字型のあしらいも枠として扱われ得るため、テンプレートを使っている場合は見直しをおすすめします。
背景は白でなければいけませんか?
単色白または写真背景が指定されています。白抜きでなければならないわけではなく、商品を使用シーンの中で撮影した写真背景も認められています。食品の場合、調理後の完成形を食卓の上で撮る構図はこの範囲に収まります。
アニメーションGIFは使えますか?
ガイドライン対象画像(第1商品画像・SKU画像)には登録しないこととされています。動きで見せたい場合は、商品ページ内の別の手段を検討してください。
動画用のサムネイルを楽天の第一画像に流用できますか?
おすすめしません。当社の分析では、TikTok Shopの売上上位動画はテロップが画面の平均31.2%を占めており、楽天のガイドライン上限20%を大きく超えます。撮影データは共通化しつつ、書き出しはモールごとに分けてください。
第一画像を変えれば売上は上がりますか?
CTRが主犯のときに限ります。GMVはIMP×CTR×CVR×客単価に分解でき、CTRの標準は2〜5%、CVRの標準は1〜3%が目安です。CTRが十分に出ているのにCVRが低い場合、原因は画像ではなく商品ページ側にあるため、画像を変えても数字は動きません。
商品画像に「訳あり」と入れてもよいですか?
訴求としては強い一方、商品名や商品画像に直接入れるとモールによっては違反判定を受けることがあります。「形が不揃いなだけで味は同じ」のように、安い理由を説明する形に言い換えて置く場所を選ぶことをおすすめします。
まとめ
- 推奨サイズは正方形で700×700ピクセル以上。対象は第1商品画像とSKU画像
- ルールは4つ。テキスト占有率20%以下、枠線なし、背景は単色白または写真背景、アニメーションGIFは使わない
- 占有率20%は「幅いっぱいの帯なら高さの2割まで」と覚えると現場で判断できる
- テキストが2割までである以上、残り8割は写真そのもので伝える。調理後の完成形と使用シーンが効く
- 楽天とTikTok Shopでは第一画像の役割が違う。TikTokの標準はテロップ31%、楽天の上限は20%。流用ではなく設計し直す
- 画像に手をつける前に、CTRが主犯かCVRが主犯かを数字で切り分ける
商品画像を含めた楽天の運用改善についてはEC運用代行、TikTok Shopの立ち上げはTikTok Shop運用支援をご覧ください。
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出典
ガイドラインの細則・事例集はRMSの店舗運営Navi(ログインが必要です)に掲載されています。本記事の内容と差異がある場合は、楽天が公開している最新の情報を優先してください。




